オープンカーが持つ魅力は理屈では語れない部分がある。風の巻き込みや積載量の少なさ、室内の狭さなど、ネガティブな面は多い。それでも、オープンカーに一度でも乗ると、その開放感にやみつきになるカーガイはめずらしくない。そして、この車も、カーガイ垂涎の1台になることだろう。初代のデビュー以来、9年目にしてフルモデルチェンジを果たして話題となったアウディのフラッグシップ『R8』。その『R8』のオープンモデル『R8スパイダー』が発表された。

まるで「窓がない新幹線」、別次元の動力性能を持った『アウディR8スパイダー』


『R8スパイダー』は、2016年3月に開催されたニューヨークモーターショーで発表され、7月から欧州での受注が始まった。『R8』では、『R8 V10』と『R8 V10 プラス』がラインナップされたが、『R8スパイダー』では『V10』のみを展開する。

搭載されるのは、自然吸気直噴5.2L・V型10気筒FSIエンジン。ここに、新開発の7速Sトロニックが組み合わされる。その動力性能は、最大出力397 (540) kW (hp)/7800rpm、最大トルク540 (398.3) Nm (lb-ft)/6500rpm。0‐100km/h加速は3.6秒で、最高速度は318km/hに達する。極端かもしれないが、窓がない新幹線を想像すれば、この車がいかに規格外のオープンモデルかが分かってもらえるかもしれない。

駆動にはもちろん、アウディのお家芸「クワトロシステム」を採用。新開発の電子制御式油圧多板クラッチを採用することで、わずか数ミリセカンド(1ミリセカンドは1000分の1秒)の素早さで前輪に伝達するトルクを調整。また、先代と異なり、トルクをそのまま前輪に伝えることも、完全に切り離すことも可能で、運転状況、ドライバーの操作、路面状況などに応じて4輪に配分するトルクを常に最適にコントロールできるようになった。







『R8スパイダー』はアルミとCFRPのASF採用でクーペよりも軽く、ボディ剛性は向上


見た目は『R8』に準じており、ルーフをそのまま取り払ったという表現がぴったり。奇をてらったものではない。ルーフは軽量化を考えてソフトトップを採用。電動油圧式で開閉は20秒で完了する。また、50km/h以下の速度であれば走行中でも操作が可能だ。






ボディの素材は『R8プラス』に採用された、アルミとCFRP(炭素繊維複合材料)を組み合わせた「アウディ スペース フレーム(ASF)」を採用。乾燥重量は、『R8』よりも軽い1612kgを実現した。軽量化されたが、従来型よりもボディ剛性は高まり、捻り剛性で50%の向上を果たしたという。

オープンモデルでは世界最高クラスのパフォーマンスを誇る『アウディR8 スパイダー』。価格は、ドイツでのベース価格が17万9000ユーロなので、日本円にすると約2050万円。日本での受注はアナウンスされていないが、今から待ち遠しい1台だ。