40〜50代の車好きなら、1991年に『マクラーレンF1』が発表されたときの衝撃を覚えているだろう。折しも、当時の日本はF1ブームの真っ只中。そんななか、名門チーム「マクラーレン」の名を冠したスーパースポーツが出現したのだから、その興奮は想像に難くない。しかし、この車のインパクトも『マクラーレンF1』に勝るとも劣らない。それが究極のロードカー『AM-RB 001』である。

他のスーパースポーツを圧倒するほどの存在感を醸し出す『AM-RB 001』のデザイン


英国のラグジュアリーブランドである「アストンマーチン」とF1チーム「レッドブル・レーシング」が共同開発を行っている『AM-RB 001』。これは車名ではなく、開発コードネームだ。「AM」は「アストンマーチン」、「RB」は「レッドブル」、そして、「001」は最初の車であることを示している。

リリースでは「ロードカー」と表現されているので、公道を走ることは間違いない。しかし、俗にスーパースポーツと呼ばれる類いからは一線を画すだろう。そもそも、そのフォルムからして、圧倒的な存在感を発揮しており、車を生態系に例えるなら、まさにその頂点に君臨する王者の風格を醸し出す。

『AM-RB 001』は、アストンマーチン・オリジナルのハイパーカー『One-77』が製造されたゲイドンの専用施設で製造される。詳細な仕様は明らかにされていないが、現時点で分かっていることは、新開発された高回転型の自然吸気V12エンジンをカーボンファイバー構造のボディにミッド・マウントするということ。

車両重量を出力で割ったパワーウェイトレシオを限りなく1:1に近づけることが目標だという。これは、車重1kgに対して1馬力という驚異的な数値だ。『AM-RB 001』の車重は発表されていないが、『マクラーレンF1』クラスの車重であれば、1300馬力をオーバーするかもしれない。







製造台数は150台前後、価格は約2億6400万〜3億9600万円の超プレミアムカー


この類い希なるモンスターカーを世に産みだす作業には、3人の男が関わっている。

アストンマーチンからは、エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーの「マレク・ライヒマン」と、バイス・プレジデント兼チーフ・スペシャル・オペレーションズ・オフィサーの「デイビッド・キング」。

そして、世界でもっとも成功したF1マシン・デザイナーといわれる、レッドブル・レーシングのチーフ・テクニカル・オフィサー「エイドリアン・ニューウェイ」だ。







ニューウェイは、「『AM-RB 001』は、サーキットで究極のパフォーマンスを発揮する能力を持った、公道走行可能なロードカーであるべきだと信じてきました」と語る。そのために、『AM-RB 001』には2つの異なる特性を備えたという。その2つとは、「扱い易く快適でありながらも、途方もないパフォーマンスを発揮するテクノロジー」である。


アストンマーチンCEO(社長兼最高経営責任者)の「Dr. アンディ パーマー」は、「プロジェクトが進むにつれて、まさに歴史を塗り替えるようなハイパーカーの誕生が現実味を帯びてきました。AM-RB 001は、パッケージング、効率とパフォーマンスの面で新たなベンチマークを打ち立て、アストンマーチンをさらなる高みへと引き上げるでしょう」とコメントを残している。

製造台数は、プロトタイプと25台のサーキット専用バージョンを含めて、99〜150台以下が予定されており、気になる金額は、200万〜300万ポンド(日本円にして約2億6400万〜3億9600万円)ともいわれている。納車は、2018年より開始される見込みだ。高根の花であることはわかっているので、一度でいいから眼福にでも預かりたいものである。