ダイエットといえば、ランニングや筋トレといった運動が欠かせないもの、というイメージを持つ人が多いはず。そんな常識を覆すのが、「むしろ余分な運動はしないほうがマシ」という発想の「1:9」ダイエットだ。これなら運動が苦手な人でも、無理なくダイエットできるほかリバウンドの心配も少ないという。実践法や注意点を「1:9」ダイエットの提唱者に聞いた。

■今回のアドバイザー
ボディワーカー
森拓郎さん


ピラティス、整体、美容矯正など足先から顔までのボディメイクを指導。2009年、自身のスタジオ『rinato』(加圧トレーニング&ピラティス)を東京・恵比寿にオープンさせた。「図解ダイエットは運動1割・食事9割」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を初め、数々のダイエット本を出版している。


運動よりも食事管理に大きな重点を置く「1:9」ダイエットの原理とは?


森さん「全体的な健康を考えれば運動をしたほうがいいのは間違いありませんが、ダイエットの観点からみた場合、肥満の根本原因は食事にあることがほとんど。食事は1日3回×7で考えると、週に21回もあります。つまり無理に運動をする時間を設けるよりも、日々の食事の管理を徹底的に行ったほうが、建設的なダイエットが実践できるというわけです。

1:9ダイエットのメリットはリバウンドの恐れをなくし、できるだけ食に対してシンプルな考えを持てるようにするところにあります。ダイエットに失敗しやすい人にありがちなのが、基礎的な食の知識がないまま極端な食事制限を行ってしまうという傾向。たとえば低カロリーな食事ばかりを選んでいると、大切な栄養が不足し、むしろ代謝が悪くなってしまい太りやすい体になる場合もあります。また、『飲むだけ』というようなダイエット食を続けると咀嚼回数が減り満足度が得られず、結果的に暴食に戻ってしまうリバウンドの原因にもなり得るのです。まずは、太ってしまった根本の理由といえる、ジャンクフードや清涼飲料水、麺類パン類などをどうやって減らすかを考えることから始めるのが大事。この点でも、様々な運動を必要とするダイエット法に比べ、『1:9』ダイエットがシンプルかつ簡単に実践できるといえるでしょう」



「1:9」ダイエットで推奨されているのは和食。どのように食べるのが効果的なのか?


森さん「『1:9』ダイエットの基本は、いわゆるジャンクフードといわれるカロリーばかりが高くて、必要な栄養素の少ない食べ物を避けること。替わりにN/Cレート(カロリーに対しての栄養の比率)が高い食品を優先して食べるようにします。これなら同じカロリーを摂っていても、体内では十分な栄養素が充填されるため、代謝があがり、痩せやすい体になるというわけです。

N/Cレートが高い食事として、日本人に馴染みやすい和食スタイルを推奨しています。よく噛まなければいけない食材となるので、咀嚼回数が増え、同じくらいの量を食べていても、満腹中枢の刺激がされやすく、食の満足度を下げません。食の矯正をする場合、下手に栄養バランスを考えすぎてストレスをためるより、『和食スタイルを常に心がける』ほうが簡単かつ効果的です。一膳のご飯とメインのおかず、そこに1〜2個のサブのおかずとみそ汁などの汁物がそろえば、一汁三菜の和食スタイルとなります。丼物や麺類、パン食になると栄養バランスが整いづらく、咀嚼回数も減ります。食材を選ぶ際のキーワードは、『まめ』『ごま』『わかめ』『やさい』『さかな』『しいたけ』『いも』の頭文字をとった『マゴワヤサシイ』。これらを意識しておけば、外食のメニューを選ぶ際にも悩むことが少ないでしょう。

食事の管理を最優先させる『1:9』ダイエットですが、まったく運動をしなくてよいというわけではありません。筋トレや有酸素系など週2回程度の軽い運動は行ったほうがよいでしょう。その時間がない人は日常生活で活動量を増やす程度でも構いません。通勤時間で歩く時間を増やしてみたり、家で少し動いてみたりなどの工夫をしましょう。大事なのは、あくまで食事ベースなので無理な運動をしないこと。激しい運動で食欲が乱れるようなら、運動はしないほうがマシということは忘れないでください」



緩く実践するのが「1:9」ダイエットのポイント。完璧主義に走らないように注意しよう


森さん「『1:9』ダイエットを成功させるコツは、完璧主義に走ったり短期間で成果を求めたりしないようにすること。リバウンドする人は完璧主義になりがちで、我慢しすぎたり、食べる量を減らしすぎて我慢が利かなくなったりします。早く結果を出したい気持ちはあるでしょうが、やせた後に全て解禁されるわけではありませんから、自分がストレスなく満足できる状態を確認しながらやってみるとよいでしょう」


最後にアドバイザーから一言


「ダイエットを継続するためには、今の生活スタイルからいかに無理なく変化をつけるか、時間軸を計画することがまず大事です」