「関ジャニ∞」の錦戸亮の主演で、山上たつひこ原作、いがらしみきお作画の漫画「羊の木」が実写映画化されることが決定した。「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」で人間の光と闇をあぶり出してきた吉田大八監督がメガホンをとり、元受刑者たちの素性を住民たちに知らせず受け入れることになった港町の物語をスクリーンで再構築する。

 2014年・第18回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した原作は、ギャグ漫画の巨匠2人がタッグを組み、ある地方都市を舞台に、住民と元受刑者の不協和音、犯罪者に対する生理的な感覚を描出した問題作。映画では、主人公の月末一を錦戸が演じるほか、月末の同級生・石田文に木村文乃が扮する。さらに殺人歴を持つ元受刑者役に、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平というアンサンブルキャストが配された。原作を大胆にアレンジし、まったく異なる結末を描くという。

 吉田組初参加となる錦戸は、「約2年半ぶりに撮影する映画で、さらに初めてのサスペンスになるのでとても楽しみというか、ソワソワしています」と心境を告白。犯罪者の受け入れ担当となった、お人よしな市役所職員・月末は、繊細かつ大きな感情の揺れの表現が求められる難しい役どころだが、「監督をはじめとして、キャストの方も初めてご一緒する方々ばかりなので、ひと癖もふた癖もある共演者に“月末”として精一杯翻ろうされたいと思います」と意欲をみなぎらせる。

 共演者たちもそれぞれ吉田監督との仕事を心待ちにしているようで、木村は「黒でも白でもなくグレーな部分に切り込む今回の作品が、どんな吉田色に染められていくのか、そしてその一員になれることをとてもうれしく思います」と期待を込める。無邪気で好奇心おう盛な宅配業者・宮腰一郎を演じる松田は、「自分の思いをいろいろとぶつけさせていただく素晴らしい機会をいただいたことを幸せに思う次第です」と語り、傲慢な釣り船屋・杉山勝志に扮する北村は、「監督の繊細な世界観と『羊の木』のもつ独特な雰囲気に浸りながら撮影に挑みたいと思っております」とコメントを寄せた。

 一方の吉田監督は「善と悪、普通と異常、自分と他人、地方と中央、生と死。原作『羊の木』に出合ってしまった結果、そういう境目たちとまとめて向き合うことになりました」と語る。撮影開始を10月に控え、「とんでもなく魅力的なこの俳優たちとともに、ダークだけどカラフル、怖すぎて笑えるような映画を目指します。そしてできれば、人間と人間じゃない何かの境目まで見届けて、無事に帰ってきたいです」と抱負を述べた。

 さびれた港町・魚深市に、新仮釈放制度により自治体が身元引受人となって出所した元受刑者6人が移住してくる。月末(錦戸)は受け入れ担当を命じられるが、移住者たちの過去を一般市民に知られてはならない。時を同じくして、月末が思いを寄せる文(木村)が魚深に帰郷していた。犯罪者という“異物”を受け入れた町と、人々の日常の歯車がにわかに狂い始める。

 映画「羊の木」は2018年公開予定。