北朝鮮政府が演出した“庶民の日常生活”の裏側を暴いたドキュメンタリー映画「太陽の下で 真実の北朝鮮」が、2017年1月に公開されることが決定した。

 今作は、モスクワ・ドキュメンタリー映画祭の会長を務めるビタリー・マンスキー監督が、一般の家族が生活を“演出”されるさまを映したドキュメンタリー。マンスキー監督は、個人の自由が認められない北朝鮮の庶民の生活を撮影しようと試みる。北朝鮮政府から撮影許可を得るまでに2年間を費やし、平壌で暮らす模範労働者の両親と娘リ・ジンミに1年間密着するが、ドキュメンタリーとは名ばかりで、一家は北朝鮮が用意した監督の指示で繰り返し演技をさせられていた。そこでマンスキー監督らスタッフは、撮影の目的を、真実を暴くことに切り替え、その様子を隠し撮りする。

 8歳のジンミは、金日成の生誕記念「太陽節」で披露する舞踊の練習に余念がない。エリートの娘を持った両親は仕事仲間から祝福を浴び、一家はまさに “理想の家族”。しかし、高級な住まいも、親の職業も、ジンミがクラスメイトと交わす会話も、すべて北朝鮮が家族のイメージを作り上げるために仕組んだシナリオだった。

 台本は当局によって修正され、撮影したフィルムはすぐさま検閲を受けることを強いられたが、マンスキー監督は検閲を受ける前にフィルムを外部に持ち出して本作を完成させた。ロシア政府は、北朝鮮からの要請でマンスキー監督への非難声明と上映禁止を発表したが、韓国、アメリカ、ドイツ、イタリアをはじめ20以上の都市で上映されている。

 「太陽の下で 真実の北朝鮮」は、2017年1月21日から東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋ほか全国で順次公開。