吉本興業グループが企画推進する京都国際映画祭2016が10月13日、京都・元離宮二条城で開幕し、オープニングセレモニー内で「牧野省三賞」の授賞式が行われた。今年は「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」「スパイ・ゾルゲ」などで知られる篠田正浩監督が受賞し、歓喜のコメントを寄せた。

 篠田監督は、司馬遼太郎の小説「奇妙なり八郎」を映画化した「暗殺」(1964)で京都市民映画祭の作品賞に輝いた。それだけに「生涯で賞をいただくのが、これが最後だと思います。最初と最後が全てこの京都であり、こんなに京都にご縁があることと、幸運に恵まれたことは望外の喜びです」と破顔し、「映画は、その次代の担い手に運命はかかっています。若い人はがんばってください」と次世代へバトンを託した。

 さらに「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」に主演した長塚京三がゲストとして登場し、花束を手渡した。「篠田監督の素晴らし笑顔を久しぶりに見たいと思い、この役を引き受けました」といい、「この笑顔から、上機嫌であることがすべての営みの根源であることを学びました」と感無量の表情。そして、「願わくば健康に留意し、その笑顔をもって私たち後輩に生きる勇気を与えてください」と語りかけていた。

 またプレゼンターは牧野省三監督の孫である俳優・津川雅彦が務め、トロフィーを贈呈。「長い映画の歴史のなかで、斜陽産業と言われて久しい。テレビがはん濫し、サラリーマンが演出するようなドラマまである。素人化しつつあるなかで、映画を愛し、生涯を捧げた方にこの賞は贈られます」と、き然とした態度で説明していた。

 “日本映画の父”とされる牧野監督の名を冠した同賞は、日本映画界の発展に寄与した映画人に贈られる。第1回は木村大作氏、第2回は野上照代氏が受賞した。京都国際映画祭2016は、10月16日までよしもと祇園花月、TOHOシネマズ二条、イオンシネマ京都桂川、大江能楽堂、京都国立博物館ほかで開催。