俳優の入江甚儀、女優の秋元才加前田美波里が10月14日、舞台「夜が私を待っている ナイト・マスト・フォール」(10月15〜30日、東京・紀伊國屋サザンシアター)の公開ゲネプロを同劇場で行った。

 英国の劇作家エムリン・ウィリアムズが1935年に発表した心理サスペンスの傑作で、日本での上演は初めて。秋元、前田を言葉巧みに手玉にとっていく役どころの入江は「芝居に対する今までの考え方が180度ひっくり返った。知らないこともたくさんあって、周りの先輩から教えてもらったこともたくさんある。違う世界を見せてもらい、0からのスタートで、とにかくやるしかないという気持ち」と並々ならぬ決意をにじませた。

 秋元は物静かで知的、内向的というキャラクター設定に「フツフツと煮詰まった生活をしているけれど、心の中で刺激を求めている女性で、共感できる部分もあるし、根本は似ていると思う」と説明。加えて、「私も私生活が煮詰まっていて、観葉植物を買い集めたり、動物の動画ばかり見ているので」と自ちょう気味に語り、日頃のうっ憤を舞台にぶつける覚悟だ。

 ベテランの前田は、さい疑心の固まりといわれるほどの頑固な婦人役。「かわいいおばあちゃんになろうと思っていたのに、ここまで人様に嫌われるとは…。でも、やりがいのある役なので、いい年にいい仕事をいただけた。皆さんにご迷惑をかけないよう、やり遂げたい」と謙虚な抱負を語った。

 演出の河原雅彦氏は、「俳優たちの張り詰めた芝居だけで見せていく、ストイックな作品。いい稽古が積めたし、役者がいい芝居をしてくれればいい」と出演者に一任。秋元は、「具体的な指示をしてくださるし、自分自身に任せてくださるところもある。そういう役のつくり方は初めて。顔色ひとつ、動作ひとつなど細かいところまでしっかりと見てほしい」と応じていた。

 舞台「夜が私を待っている ナイト・マスト・フォール」は、老婦人とめいが暮らすロンドン郊外の屋敷に、メイドが連れてきた青年が住み込んだのと時を同じくして殺人事件が起こったため、それぞれが疑いの目を向け始め人間の内奥に潜む悪意が浮き彫りになっていく心理サスペンス。他に明星真由美、久ヶ沢徹らが共演する。