女優の高島礼子が10月16日、京都市内で開催中の京都国際映画祭2016のクロージング作品「残されし大地」(ジル・ローラン監督)の舞台挨拶に、同監督の妻である鵜戸玲子氏、映画祭プロデューサーの奥山和由氏とともに登壇した。高島が公の場に姿を見せたのは3カ月半ぶり。前夫で覚せい剤取締法違反などの罪で有罪判決を受けた高知東生被告と離婚後は初となった。

 欧州でサウンドエンジニアとして活躍したローラン監督が、妻の母国である日本に移住し撮影した処女作。ローラン監督は編集作業のためにベルギー・ブリュッセルに一時帰国した際、地下鉄テロにあい命を落とした。今作は、鵜戸氏やスタッフがその意思を継ぎ完成させた。

 鵜戸氏は、「ベルギー本国でも公開され、たくさんのお客様が来ていただいています。日本でも京都国際映画祭という晴れ舞台に立ち、一般のお客様に見て頂けるということで、夫もこの会場の何処かにいて喜んでくれていると思います」と感無量の面持ち。着物姿で登場し、花束を手渡した高島も「お目にかかれて光栄です。(作品に)感動しました」と語りかけていた。

 さらに高島は、今作の感想を「映像もきれいですし、音がどんどん(耳に)入ってくる。一緒にテーブルで会話を楽しんでいるような感覚になり、聴覚とはこんなに大事なんだと初めて思いました」と絶賛。鵜戸氏が「原題は直訳すると『見捨てられた大地』というニュアンスになります。しかし会話のなかで笑っていたり、ふざけているところもあり、どこか明るい。土地に愛着を持って人は生きていくと感じ、新たなものが生まれていく“残されし大地”という意味でつけました」と邦題に込められた意味を明かすと、高島は「福島の緑と、その一方で悲しい現実があり、アンバランスさが胸を打ちました」と目を細めていた。

 今作は2017年春に日本公開されることが発表され、満場の客席から拍手が沸き起こっていた。