「働けど働けど、わが暮らし 楽にならざり」。ふと、石川啄木の歌の一節が口をついて出てしまうほど、体感的には厳しい日本経済。経済大国と言われている一方で、不況とも言われ……? ズバリ、本当のところはどうなのだろう? 

GDPは3位だが、一人あたりの経済規模はなんと◯位

われわれが住む日本は、世界各国と比べて、一体どのくらい儲かっているのだろう? 2015年における世界各国の名目GDPのトップ20を見てみよう。

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GDPには「名目GDP」と「実質GDP」がある。「名目GDP」とは単純に金額から割り出したもの、「実質GDP」はそこから物価の上がり下がりを考慮して、つまり差し引いて算出したもののことをいう。

日本は、アメリカ、中国に続いて第3位。つまり日本は世界で3番目にたくさんお金を稼いでいる国ということになる。これだけ見れば、日本はまだまだ経済大国といえそうだ。

しかし、この「儲け」の総額を人口で割ると、かなり印象が違ってくる。この指数を一人当たりのGDPという。ここでは同じく、一人当たりの「名目GDP」を見てみよう。この表がその世界ランキングになる。
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突然、ルクセンブルクが1位に踊りでて、アメリカが6位となっているのがわかる。そして日本はというと、イギリス、オランダ、ドイツにも負けて、なんと26位まで落ちてしまった。

これが何を意味しているか? ものすごく乱暴に例えて言うと、たとえば1ドル100円として、ルクセンブルクのサラリーマンの平均年収が1020万円だとすると、アメリカは558万円、日本は325万円しかない、ということだ。日本はひとり当たりの稼ぎでいうと、ルクセンブルクの3分の1未満、ということになる。では、なぜこんな差が生まれるのだろう?

ルクセンブルクの場合、国のGDPは、青森県のGDPとほぼ同じ(世界第74位)。人口は、日本でいちばん県民が少ない鳥取県より少なく、56万人(世界第162位)である。こんなに小さい国の中に、デュポンやグッドイヤーなどの世界的大企業を誘致していて、さらに金融業も発達している。結果、一人あたりの経済規模にすると、みごと世界第1位になるわけだ。

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じつは日本という国は、世界の中でとても人口が多い国なのだ。日本の人口は約1億2700万人で、世界第11位。それはドイツの1.6倍、イギリスやフランスの2倍、ルクセンブルクの、なんと227倍に当たる。

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日本は、人口が多いために総合的な生産力、経済力が高く、その結果GDPは上がるが、一人当たりで割ると順位が下がってしまうのだ。

【POINT】
日本は、国としての経済力は高いが、一人当たりの「儲け」はあまり高くない!

出展/IMF-World Economic Outlook Database

(編集 M)