ネコより馬派!? ディープなインパクトの喫茶店@浅草

創業40年、浅草の洋風喫茶店、“若生(わかお)”。一歩足を踏み入れると、いつもの“看板ネコのいるお店”とは違った空気を感じた。客層があきらかに違う。ネコ好きのオーラを放つ人が、見当たらない?!




▲店頭は落ち着いた和風喫茶。中に入った雰囲気とまた少し違って渋い感じ




▲浅草寺にほど近いので、浅草観光もついでにできます


そう、ここはWINS浅草からほど近い、浅草六区ブロードウェイ商店街の真ん中に位置する。六区ブロードウェイは、昔ながら演芸ホールや小劇場、ボウリング場などが並ぶ歓楽街。大道芸への歓声などにぎやかな声も聞こえてくる。浅草駅からは徒歩約15分、観光客で賑わう雷門や仲見世通りを越えて、ドン・キ・ホーテを目指せば迷わずたどり着く。




▲昔ながらのテレビ位置。でもしっかりハイビジョンで大きめの画面は、競馬好きのお客さんのためか。ここではチャンネル争いなど起きそうもない


お客さんの視線はネコではなく、手元の競馬新聞と競馬中継が流れるテレビ画面。一瞬、アウェイな土地で、オレ場違い?という不安があったが、逆にネコを独り占めできる好機だとポジティブに考え、遠慮なくネコへと向かう。




▲つねに舌が出ちゃってる、お母さんのチーレ(手前)。娘の銀ちゃん(奥)は、イスの上でずーっと寝たまま動かず。


お店の雰囲気にあったレトロなこんがりとした色の茶トラが二匹。“チーレ”と“銀”という名の母娘。もともとは地域ネコで、お店のご夫婦に保護された。母猫のチーレの名の由来を問うと、「この子の母親が“オーレ”だったんですよ。カフェオレ色をしていてね」とお店のご主人。おそらくは小さい、オーレの子ということで、チーレなのだろう。




▲銀の名前は、水戸黄門のお色気担当、“かげろうのお銀”から


ネコを撫でながら聞こえてくるのは、やはり競馬の話題。「えぇ、マイナス45キロってすごいな。」というお客さんの独り言に「ですねぇ、どうしちゃったんですかねぇ」と答える店員さん。なんだか和む。次来るときは、馬券買ってから来ようかなとも思う。




▲キティちゃんのお面と相撲の番付、絶妙なインテリア




▲少し不思議そうな顔でこちらを見つめるチーレ、舌出てるよ


店内をたまにウロウロ歩くチーレは、看板ネコとしての自覚があるのか、来店したお客さんの顔をじっと見つめては、ゆっくりと定位置に歩いて戻る、おしとやかな営業をしていた。少し口の開いた、人間のような表情で見つめてくるので、確実に印象に残るだろう。







▲近づいても反応薄いチーレ、舌出てるよ


店内に漏れるうため息。メインレースが終わったようだ。ネコたちは当然人の悲喜こもごもには無関心。馬好きがいて、忙しなくはたらくお店の人がいて、ネコを偏愛するソロ活する人間がいて、いろんな人間とネコの無関係な時間が同じ場所にパラレルに存在する。




▲全然起きない銀ちゃん。ゆえに触り放題、撫で放題。写真に変化が出ないのでアングルを変えて四苦八苦


後ろの席で眠っている銀ちゃんもそろそろ起きたか?と気になりつつ、このお店に訪れた目的のもう一つ、人気メニューのカレートーストを注文。超厚切りの食パンは、ここの2匹のようにこんがり「ネコ色」、ふわふわ弾力のあるトーストに甘めのカレーがたっぷりとかかり、食欲を誘う。




▲この画面だけでお腹空くでしょう?


溶け出すバターとカレーをトーストになじませて口に運ぶ。じっくり煮込んだ牛肉はやわらかくほろりと口の中でほどけて旨し! 一見ボリューミーだが、ぺろりと完食。




▲この厚み、すばらしい眺め。このときばかりはネコを忘れ、黙々と食べる




▲銀の、ピンクに黒斑点の肉球!!またしても肉球の色=鼻の色説が立証されました




▲無。目が開いているけど、寝ている? 撫でても反応なし。




▲先代の看板ネコ、舞ちゃん。去年19歳で亡くなったそう。接客をする芸子さんのようにとってもお上品なシャムネコ。会いたかったなあ


ネコより馬!なお客さんが多かったため、じっくりたっぷりネコを味わわせていただき、カレートーストでお腹も満たされた。普段と違った競馬の世界に触れられたのも、気分転換になり良き経験。帰りにちゃっかり浅草観光もできて、下町で過ごす良きソロ活でした。


石井芳征(ネコ偏愛者/クリエイティブディレクター/Cat’s Whiskers編集長)


若生 (わかお)
住所:東京都台東区浅草2-10-13
営業時間:月〜水・金・祝日前10:00〜17:00
     土・日・祝9:00〜17:00
定休日:木曜日
最寄り駅:田原町駅・浅草駅