最新トレンドスポットを巡るのもいいけれど、たまには趣向を変えて歴史を一人で存分に堪能する“近代建築”散歩にでかけてみては?今回は異国情緒漂う横浜の博物館からカフェまで歴史的建造物を紹介。カメラ片手に、知的なオトナホリデイを楽しんでみて。
【1】優雅で気品に満ちた「クイーン」の名を頂く塔が象徴/横浜税関本関庁舎


横浜税関本関庁舎外観

▲現在は横浜市歴史的建造物に認定されている、横浜税関本関庁舎


1923年の関東大震災で大きな被害を受けた横浜。現在、横浜にある歴史的建造物の多くが、震災の復興時に作られたものなんだそう。横浜市歴史的建造物に認定されている『横浜税関本関庁舎』もその一つ。

竣工は1934年。設計したのは国会議事堂の設計に携わった吉武東里氏、内装は総理大臣公邸を設計した下元連氏が担当しました。5階建て、高さ51メートルの庁舎は当時の横浜で最も高い建物だったのだとか。



横浜税関本関庁舎アーチ

▲ロマネスク様式を取り入れた半円形のアーチが印象的な正面玄関


特に注目したいのは正面玄関。ロマネスク様式をはじめ、インド古代建築、アラビア風など、さまざまな様式が巧みに融合されているのでじっくり観察してみて。



クイーンの塔

▲クイーンの称号にふさわしい優雅で凛とした佇まいの塔


庁舎の頂点にはイスラム寺院を思わせるシンボリックな青緑色のドームが。その優雅で気品ある姿から「クイーンの塔」と呼ばれ、神奈川県庁本庁舎の「キングの塔」、横浜開港記念会館の「ジャックの塔」と並び、横浜三塔のひとつとして親しまれています。

併設されている資料展示室「クイーンのひろば」では、横浜開港や横浜税関の歴史などの展示を見学することができます。

海を眺めながら異国情緒を感じ、歴史に静かに思いを馳せる。オトナならではの一時が過ごせるスポットです。


横浜税関本関庁舎
住所:神奈川県横浜市中区海岸通1-1
TEL:045-212-6053
休館日:年末年始、施設点検日
営業時間:10:00〜16:00(5〜10月は17:00まで)
クイーンのひろば入場料:無料
最寄り駅:日本大通り


【2】90年間変わらぬ佇まいのクラシカルなホテルで優雅なランチを/ホテルニューグランド


ホテルニューグランド外観

▲2017年で竣工90年を迎えるクラシカルな雰囲気の建物


1927年開業の『ホテルニューグランド』は、銀座和光などを手がけた渡辺仁氏による設計。ヨーロピアンテイストの建物の中に東洋のエッセンスを散りばめた、美しくクラシカルなホテルです。

マッカーサー元帥やチャーリー・チャップリン、ベーブ・ルース、松田優作など、数多くの著名人がこのホテルを訪れたこともあるのだとか。




ホテルニューグランド内観

▲美しいタイルや彫刻など見どころの多い本館の大階段は、ホテルのシンボル的存在


本館は現在でも開業当時から変わらぬ佇まいを保っていて、横浜市歴史的建造物や近代化産業遺産としても認定されている、横浜のランドマークのひとつです。




ホテルニューグランド料理

▲4〜5種類の味から選べるパスタランチコース(3,348円)。写真は「スパゲッティ ラグー」


ホテル探訪だけでも充分見ごたえがありますが、訪れたらぜひリストランテ『イル・ジャルディーノ』で少し贅沢なイタリアンランチを味わってみて。中庭を眺めることができる店内の床には、イタリア大理石のモザイクが施されていて、異国情緒たっぷり。

ランチのオススメは前菜とパスタ、デザート、コーヒーがセットになった「パスタランチコース」(3,348円)。「スパゲッティ ぺペロンチー二」や「シラスのスパゲッティ」をはじめ、4〜5種類の中から好きなパスタを選ぶことができます。

風景とお店の雰囲気を堪能しながら美味しい料理を味わえば、目も舌も喜ぶ幸せランチタイムになること間違いありません。


ホテルニューグランド
住所:神奈川県横浜市中区山下真町10
TEL:045-681-1841
定休日:無休
最寄り駅:元町・中華街


イル・ジャルディーノ(ホテルニューグランド内)
TEL:045-681-1841
定休日:無休
営業時間:ランチタイム11:30〜16:30、ディナータイム17:30〜21:00


【3】細部にまでこだわった建築を観ながら、知性を磨くオトナな一時を/横浜開港資料館


横浜開港資料館外観

▲海岸通り沿い、日米和親条約が締結された歴史のある地に建つ横浜開港資料館


江戸幕府がアメリカと日米和親条約を結んだ歴史ある地に建つ『横浜開港資料館』。旧館は1931年に竣工した旧英国総領事館をそのまま利用しているんだそう。

見所は正面玄関。ツルと葉の彫刻があしらわれたコリント式の柱を左右に配し、2階までを吹き抜けにした荘厳な雰囲気です。

また旧英国総領事館時代に待合室として利用された1階中央の記念ホールは、現在では来館者の休憩室に。建物の歴史を感じながら一休みするのにぴったりのポイントです。



横浜開港資料館内観

▲新館1階の常設展に設置されている19世紀中頃の世界情勢を示した地球儀


新館には、横浜開港によって発展を遂げた19世紀半ばから関東大震災までの時期を中心に、横浜の歴史を紹介している常設展があります。資料閲覧室もあり、江戸時代から大正・昭和初期までの横浜関係の歴史資料をじかに見ることもできます。きっとオトナ女子の知的欲求を満たしてくれるはずですよ。

壁や窓、照明など、いたるところに当時の面影を彷彿とさせるしつらえが散りばめられている『横浜開港資料館』。建物の細部にも歴史を感じることができるので、隅々まで堪能してみてくださいね。


横浜開港資料館
住所:神奈川県横浜市中区日本大通3
TEL:045-201-2100
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始ほか
営業時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
入館料:大人200円、小中学生100円
最寄り駅:日本大通り


【4】歴史のロマンや異文化を感じながら、ほっと一息付ける/カフェ・オムニバス


カフェ・オムニバス内観

▲カートが並び、西洋のマルシェをイメージさせる店内


現在活躍するデザイナーやアーティストの展示会や、ワークショップなどを行っている『YCC ヨコハマ創造都市センター』。こちらの施設は1929年に竣工した『旧第一銀行横浜支店』を、一部リノベーションして使用しているんだそう。

その建物の1階にあるのが、マルシェをイメージしたカフェ『カフェ・オムニバス』。トスカーナ式の柱を並べた半円形の柔らかな印象のバルコニーと、開放的な天井高の空間が特徴の一つ。



カフェ・オムニバスメニュー

▲世界各国のサンドウィッチが選べるランチセットは950円。ハンドドリップコーヒーは550円


カフェタイムに味わえるのは、世界各国のサンドウィッチ。文化の交差点として栄えた横浜らしいメニューがうれしいですね。ほかにもハンドドリップで丁寧に淹れたコーヒーや季節のデザートがスタンバイ。夜には自然派ワインも楽しめるカジュアルなバルとして利用できるので、お酒好き女子にはたまりません!

レトロな雰囲気の中、異国に思いを馳せて世界の味を楽しむ、なんて時間を過ごせるオトナ女子のソロ散歩の醍醐味を堪能できるカフェ。横浜をお散歩する際にはぜひ訪れてみて。


Café OMNIBUS(カフェ・オムニバス)
住所:神奈川県横浜市中区本町6-50-1
TEL:045-306-9114
定休日:年末年始
営業時間:11:30〜22:00
最寄り駅:馬車道


【5】外観と内観で印象の異なる博物館は、建築好き女子なら必見!/日本郵船歴史博物館


日本郵船歴史博物館内観

▲黎明期から今日に至るまでの日本海運を、日本郵船の社史を通して紹介


1885年に設立され、現在も営業を続ける日本郵船株式会社。この会社の社史を通じて、日本の海運を学ぶことができるのが『日本郵船歴史博物館』です。明治時代から現代までの海運に関わる映像資料や、船の模型も見ることができます。



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▲まるでギリシャの神殿のような目を引く建物


こちらの建物は1936年に日本郵船株式会社の横浜支店として竣工した横浜郵船ビルを利用しています。1階部分が2003年より『日本郵船歴史博物館』として運営されていて、内装などは極力当時のままの状態を保っているのだとか。設計は慶應義塾大学・信濃町メディアセンターなどの設計にも携わった建築界の巨匠・和田順顕氏が担当。

ギリシャのパルテノン神殿のようなコリント式の16本の柱が配置された、インパクトのある外観が特徴。一方で室内は当時流行していたというアール・デコ調のしつらえで、天井の梁に施された花の彫刻が、可愛らしい雰囲気を演出しています。

建築好き女子ならば、必見の博物館。近代日本の歴史のダイナミズムを展示物からも建築からも味わえるので、ぜひカメラ片手に訪れてみて。


日本郵船歴史博物館
住所:神奈川県横浜市中区海岸通3-9
TEL:045-211-1923
定休日:月曜(祝日の場合は開館、翌平日休館)
営業時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
料金: 400円
最寄り駅:馬車道





取材・文/菅原ミホ+都恋堂

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