そろそろ折り返し点に入った『ウルトラマンオーブ』。前回はウルトラマンオーブが最強の魔王獣マガオロチにまさかの敗北! 宿敵ジャグラス ジャグラーにウルトラフュージョンカードも奪われてしまった! どうする、どうなるクレナイ ガイ! という感じだったが、さっそく第12話「黒き王の祝福」を振り返ってみよう。


ウルトラマンオーブを倒し、街を破壊し続けて日本中のチビッコを泣かせたマガオロチはしばしの休眠状態に入った。暴れるだけ暴れて東京駅の真上でフリーズした『シン・ゴジラ』を思い出した人も多いと思うが、これはスサノオの策で酒を飲んで寝てしまったヤマタノオロチが元ネタ。マガオロチも『シン・ゴジラ』もヤマタノオロチがルーツなのだ。

とはいえ、マガオロチの活動再開は間近。SSPのナオミ(松浦雅)、ジェッタ(高橋直人)、シン(ねりお弘晃)、そしてナオミのママ(田中美奈子)はマガオロチを倒す鍵を握るタマユラ姫(モーガン茉愛羅)を探しに出かける。ママの「出動!」の決めポーズが完全にジュリアナ東京のお立ち台モードだったのは、さすがバブル世代。

第6話に登場した“入らずの森”にやってきたSSPの面々は、割れてしまったタマユラ姫の石碑を発見。ナオミたちは石碑を復元しようとするが、ママはその横で何の脈絡もなく花の種を蒔く。するとそこから復活するタマユラ姫! なんで? と思わず首をかしげてしまうシークエンスだったが、「大地は命を待ってるのよ」というママの言葉の力強さに押し切られてしまった感がある。

一方、フュージョンカードを奪ったジャグラー(青柳尊哉)は余裕綽々でガイの前に現れる。ガイを叩きのめし、「なんかお前カッコ悪いよ」と言い放つジャグラー。長きにわたる因縁を持つ二人だが、どうやらジャグラーはガイに「負けを認めさせる」ことを目的にしているようだ。以前、惑星侵略連合にも「時代遅れ」と言っていたし、地球侵略などには一切興味がなさそう。ガイとジャグラーは理屈を超えたライバルということなんだろう。

そしてついにマガオロチが復活! 黒煙の中、ゆっくり進撃する様はラスボス感満載。ウルトラマンオーブに変身できないガイの前に、タマユラ姫が現れて2枚のカードを渡す。1枚はマガオロチを封印していた宇宙警備隊長にしてウルトラ兄弟の長男・ゾフィーのカード、もう1枚は暗黒面に落ちた最強・最悪のウルトラ戦士・ウルトラマンベリアルのカードだった。前回、ジャグラーがベリアルのカードでゾフィーのカードを破壊していたが、タマユラ姫はそれを拾って復元したということなんだろうか。ちょっとこのあたりもよくわからなかった。

「ベリアルさん、お願いします!」とオーブリングにベリアルのカードを入れようとしても、すさまじい力で弾き飛ばされるガイ。悪のヒーローに“お願い”をするぐらい切羽詰っていたということなんだろう。ガイがベリアルのカードの扱いに苦労している間、「テンゲン ソワヤ フルベ ユラユラ!」と何度も叫んで、マガオロチの進撃を阻止していたタマユラ姫の姿が健気で愛おしい。後半の「フルベ ユラユラ」を漢字で書くと「布瑠部 由良由良」になるが、これはニギハヤノミコトが与えられた死者蘇生の言霊の一部。「ユラユラ」は「玉の鳴り響く音」を表しており、タマユラ姫が使うのも道理というわけ。ちなみにニギハヤはスサノオの息子という説がある。

ヒール攻撃全開! サンダーブレスター!


マガオロチに焼き尽くされてしまったタマユラ姫を見て、ガイの怒りが爆発! 怒りの感情が巻き起こることでベリアルのカードも使いこなすことが可能になり、ガイはウルトラマンオーブ・サンダーブレスターに変身! 名前のネタ元は、ベリアルの必殺技ベリアルジェノサンダーとゾフィーの肩にある宇宙警備隊長の印・ウルトラブレスターだろう。

血走った目に分厚い胸板を誇るサンダーブレスターは、ほとんどベリアル成分と言ってもいいほど禍々しい。ボディーの赤い色も心なしか赤黒い。あくまでゾフィーとのフュージョンのはずなんだけど、ゾフィー感は非常に薄く、「濃いベリアルをゾフィーという薄め液で溶いた状態」という表現をネットで見かけたが、ゾフィー隊長に失礼じゃないかと思う反面、非常に的を射た表現だと思った。

禍々しいマガオロチと、それ以上に禍々しいサンダーブレスターの対決が始まった! サンダーブレスターのファイトスタイルはヒール(悪役)そのもの。マガオロチのどてっ腹に何度も打ち込んだ前蹴りは蝶野正洋のヤクザキック。ビルを引っこ抜いて使った凶器攻撃はドラゴンゲートのヒールの定番・ブルーボックス攻撃そっくり。モニターで見ているSSPとナオミのママもドン引きしているのが面白い。大きな尻尾をぶった切るのは、これもヤマタノオロチが元ネタ。マガオロチの電撃光線マガ迅雷を受けても、ものともせずに突き進むのは前回のウルトラマンオーブがマガオロチにやられた仕返しだ。最後は超強力必殺技ゼットシウム光線でマガオロチに完勝! 見ていたジャグラーさんが「一度ぐらい俺にも勝たせろよ、コノヤロー!」とブチ切れるほどの勝ちっぷりだった。前回、ウルトラマンオーブの敗北に涙した全国のチビッコたちは、今回のサンダーブレスターの暴れっぷりに何を感じただろう? 

素直に負けを認めたジャグラーはウルトラフュージョンカードをガイに返し、ナオミのママは明らかに何かを知っている素振りをして帰っていった。ガイが呟いた「ナターシャ」という名前、ナオミが見ていた巨人の夢、消え去る直前に呟いたタマユラ姫の謎の言葉、そして絶対にこのままでは済まないサンダーブレスターと、前半のクライマックスでありつつ、後半への伏線だらけだった第12話でした。

さて、この記事が配信されている頃には放送が終わっている第13話は「心の大掃除」。ガイやSSPのメンバーと一緒にこれまでのことを振り返ってみよう。見逃してしまったあなたには、円谷プロダクション公式チャンネル「ウルトラチャンネル」で1話まるごと見逃し配信中です。闇を照らして、悪を討つ!
(大山くまお)