Web無料漫画配信サービスジャンプ+にて「ファイアパンチ」第23話が配信されている。ものすごい迫力で描かれたアグニVSダイダだが、1コマだけ妙にコミカルな構図のコマがある。

アグニの顔面をダイダのでっかい左手が殴る1コマだ。これはドラえもんファンにはおなじみの、ジャイアンがのび太を殴って拳が顔面にメリ込むシーンに酷似している。人呼んで顔面メリ込みジャイアンパンチ。これは気付く人にだけ気付けばいいというギャグなのか、もしくは単なる偶然か。最後まで読み進めると、これにはしっかりとした意味があるように思えた。


痛々しい描写がたくさんあったから、セリフだけ読んであんまり絵を見ていないコマが3つある


今話の内容はシンプルだ。混乱に乗じて逃げようとする奴隷達に向かって、そこそこ偉いであろう兵士長のような男が「貴様らは人ではない。薪だ」と言い放ち、見せしめに適当に選んだ三人を銃で撃ち殺し始める。そこにはネネトも混じっていた。

他の二人は奴隷として今まで生き続けてきた為、銃を向けられてもなんの抵抗をする事も無く死んでいった。それはネネトも同じだった。

ネネトは、考えていた。“人と薪”この世界は“使う側と使われる側”に分けられているといことを。そしてその間違って形成された常識を誰も覆そうとはしなかったことを。

その時、突然アグニが現れる。ネネトを助けに来たのかどうかはわからないが、そのおかげでネネトは命を救われることになった。ネネトはすぐさまサンからカメラを受け取り、アグニを撮影し始める。しかし、ダイダが背後から現れ、アグニは身体を引きちぎられてしまう。

いくら痛めつけても死なないアグニに、ダイダは困惑し始める。そしてもう一度食い下がったアグニは、ようやくダイダのパワードスーツにヒビを入れることに成功した。

さようならドラえもん


ドラえもんが未来に帰らなければいけない日、のび太とドラえもんは夜の街に散歩に出かける。しかし、ドラえもんが少しその場を離れると、夢遊病で街を徘徊するジャイアンに出くわしてしまう。夢遊病である事を見られたジャイアンは逆上し、のび太にいつも通り暴力を振るおうとする。しかし、のび太はここで頼ってまたドラえもんに心配をかけないように、2人で決着をつけようと、ジャイアンに提案する。

力の差は歴然。あっという間にのび太はジャイアンにボコボコにされてしまう。しかし、のび太は諦めない。ドラえもんが安心して帰れるよう、どれだけボロボロにされても立ち上がり、ジャイアンに立ち向かった。そしてついにジャイアンはのび太に根負けして、逃げ帰ってしまうのだった。

いくら殴られても立ち上げるアグニがのび太で、それに嫌気が差し始めたダイダがジャイアンなのだ。藤本タツキ先生はアグニの根性をこの時ののび太と重ね合わせた。それを表しているのが、“顔面メリ込みジャイアンパンチだったのだ。

アグニののび太ばりの根性で勝機が見え始めたダイダ戦。ジャイアン同様ダイダが逃げ帰る訳ではないだろうが、そろそろ決着がつきそうだ。しかし悲しいことに、例えダイダに勝ったとしても、街を自分の炎で焼き尽くしてしまったアグニは、のび太同様何かを失ってしまうのかもしれない。

(沢野奈津夫)