本日10月11日スタートのTBS系新ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。「Kiss」(講談社)で連載中の海野つなみによる人気マンガが原作だ。試写で1話を見てきた。


「契約結婚」というあまり聞いたことがない言葉と、現代の就職難がテーマの今作品は、職に困った主人公・森山みくり(新垣結衣)と、エリートサラリーマン・津崎平匡(星野源)が、「雇用主と従業員」という形で結婚をするという実に少女マンガらしいブッ飛んだ設定になっている。

どうして契約結婚することになったのだろうか


これだけ聞くと、女を下に見ているイケ好かないエリートサラリーマン津崎に「給料を上げるから身の回りの世話をしてくれないか? 田舎の両親も結婚しろってうるさいんだ」と契約結婚を持ちかけられたみくりは、「金をやるから結婚?あなた女を舐めてるの?」と、反論するも結局はお金や色々な事情で結婚する羽目になる。嫌悪感を抱きながらも一緒に生活を続けていると、次第に津崎の過去が明らかになっていく。除々に津崎を男性として意識をし始めるみくり。そして2人は本当の夫婦になっていく……というストーリーを想像しそうだが、そうではない。

そもそも津崎は温厚な青年だし、こんな破天荒な提案をするようなタイプの男ではない。不思議なことに、この2人はいがみ合う感情もないし、好きという感情もない。友達として仲が良いという訳でもない。なんならちょっとよそよそしいのだ。ここがこの作品の面白いところであり、他の偽装結婚物とは違う部分になってくるのだろう。

では、なぜこの2人が“契約結婚”という偽装をすることになったのか? それが15分拡大の第1話の大部分を占めている。

漫画とドラマの違いが興味深い


原作では、意外な事にあっさりこの大事なシーンを描いている。あっさり過ぎて読者はひっからないという不思議なテクニックを使って、読者にブッ飛び設定を簡単に飲み込ませる事に成功しているのだ。まだ読んでいない人は、ドラマを観た後に一度眼を通すと、ドラマと漫画のなかなか興味深い違いが出ている。

そこから逃げてたらリアリティなんてない


普段少女マンガに触れていない男性視聴者の中には「こんな設定ありえない」と敬遠してしまう人がいるかもしれない。「第一、男と女が2人同じ部屋で生活をするということは、夜に何かしらがあるだろう。そこから逃げてたらリアリティなんてないぞ!」という最もな意見が出ることは、容易に想像がつく。

安心して欲しい。「逃げるは恥だが役に立つ」はしっかりとそこに触れている。しかもガッキー演じるみくりからだ。
男性諸君には是非、星野源演じる津崎に感情移入して観てみて欲しい。
(沢野奈津夫)