本日17時45分。FIFAワールドカップアジア予選日本対オーストラリア戦がテレビ朝日で放送される(キックオフは18時頃)。
「サッカーとは想像力のスポーツ! この広いグラウンド 自らのアイデアで勝負するんだ」
『キャプテン翼』の師・ロベルト本郷の言葉。キャプ翼の世界では、現在1000回以上の「なにィ」が確認されている。試合中に驚いてしまうというのは、相手の想像力に屈服した証拠。驚けば驚くほど、チームが敗北する確率は上がってしまう(参考・キャプテン翼「なにィ」の多かった試合TOP10で日本対イラク戦を応援してみる)。


つまり、「なにィ」をたくさん言ってしまう人はチームの足を引っ張っていることになるんじゃないか。現実の団体競技で戦犯探しをするのは、あってはならないことだが、今回は「『なにィ』をたくさん言ってしまった人TOP10」を調査し、キャプ翼の世界で驚きやすい人を発表する。

以下のルールでカウントする


初代『キャプテン翼』、『ワールドユース』編、『ROAD TO 2002』、『GOLDEN-23』、『IN CALCIO』、『EN LA LIGA』、『ライジングサン』で査定。
試合以外の場面でもカウント。
国籍は問わない。

ランキングは以下の通りになった



第8位 井沢守 26回


修哲トリオの一人。翼とは小学校、中学校、日本代表で共にプレイ。国際試合での基本的なポジションはベンチだが、ベストメンバーがそろわない時には、時々出場する。

「井沢 キミのボールキープはまだまだ甘いぞ」
「なにィ」「うっ」ビシッ

単行本13巻で、練習中、翼くんにボールを取られた井沢くん。普段は他人を“くん”付けで呼ぶことが多い翼くんに呼び捨てにされたうえ、あっさりカットされたことにビックリしていた。中学で大会を3連覇したことで気の緩みが生じていたのである。
小学校時代は、同級生でありながら若林くんに敬語を使っていた(初期の若林くんは気性が荒かった)井沢くん。
中学編では、あまり怒らない翼くんが親分に代わって気が緩んでいたんじゃないか。あのとき、翼くんに呼び捨てにされて怒られていなければ、日本代表には到底なれなかった。

第8位 立花 政夫・和夫 26回


出っ歯の双子。顔が同じで区別がつかないため、二人まとめて合算。
次藤くんを発射台にして高く飛んでシュートを打ったり、ゴールポストを蹴って高く飛んだり、空中戦に定評のある2人。そのプレイスタイルの弱点を指摘されてショックを受けるシーンがある。

「もう空中サッカーは通用しないといったはずだぜ!!」
「なにィ」
「そらっ」ゴォン
「なにィ」グラッ
センタリングの高いボールに合わせにいく和夫。ゴールポストを蹴り上げて高く飛ぼうとしたのだが、その直前、石崎くんがゴールポストを蹴ってずらしたため、バランスを崩し、そのまま背中から地面に落ちてしまった。初見殺しはできても、2回目以降は対策を立てられてしまう。

さらにユース時代には監督直々に代表から追放されることもあった。
「立花兄弟 てめぇら山猿は2人一組じゃなきゃなにもできねぇのか」
「な…なにィ」
2人揃って一人前の立花兄弟。技の反動が大きいため、いつも2人揃ってケガをする。そのたびに交代枠を2つ使ってしまうのは、監督としては苦しい。

第8位 新田瞬 26回


翼くんたちより1歳年下。全日本では日向君とツートップを張る小柄な男。「ノートラップランニングボレー隼シュート」という名前の長い必殺技を持っている。
南葛中の近所の大友中のサッカー部員として、中学編から登場。大会を3連覇して有頂天になっている南葛の部活中に突如乱入し、実力差を見せつけていた。
公式戦の対南葛戦では、翼くんに余裕の笑みを浮かべられたり、井沢くんにパスカットされたり、オフサイドトラップに引っかかったりで3回の「なにィ」を献上。1点奪ったものの、1対3(「なにィ」数は5-15)で南葛中に完敗する結果となった。

第6位 早田誠 28回


中学編から登場した男。「エースキラー」の異名を持ち、得意技はカミソリシュートとカミソリパス。日本代表の常連だが、中学時代は精神的に脆い面を頻繁に見せていた。
「どうせ今の俺たちの力じゃ勝てやしなかったのさ これ以上日本のハジをさらさずにすんだんじゃねぇのか」
「日本チームが弱すぎるので練習試合はしたくないんです」と言ってきたイタリア代表に、悔しさを露わにする日本代表だったが、早田くんが諦め発言をしてチームのムードを悪くしていた。
フランス戦では、もつれ合った際に早田くんの肘がナポレオンの顔面にヒットし、イエローカード。これ以前にも、2人は試合序盤に乱闘騒ぎを起こしてカードをもらっていたため、累積二枚の退場処分となった。ロッカールームで一人ひっそりと涙を流すシーンが出てくる。
ワールドユース編では、いい意味で影の薄いディフェンダーに成長。ウルグアイ戦のキックオフ直前、葵をビンタした日向に対して、松山、石崎、沢田とともにびっくりするなど、集団に紛れて「なにィ」を言うことが増えた。

第6位 大空翼 28回


主人公。世界最高峰の選手であるため、「なにィ」を言うよりも、言わせる方が圧倒的に多いのだが、第6位。

「卑怯者め キャプテンとの勝負を避けやがって」
「このいくじなしめ! それでも王者・南葛のキャプテンか!!」
中学3連覇がかかった対東邦戦。宿敵・日向くんとの一騎打ちをかわすシーンでは、東邦のモブキャラたちからなじられ、瞳孔を開いて動揺していた。

「おまえもMFなら状況を判断してからつっこんできな 今はおまえとの勝負の時ではない」
アルゼンチン戦では浮足立っていた翼くんが敵チームの司令塔・ディアスのチェックにいくのだが、相手にしてもらえず「なにィ」。
穏やかな表情でサッカーをしているときは翼くんが驚くことは少ないが、敵選手を呼び捨てにしたり、挑戦的な態度をとったりするときには「なにィ」を言いやすくなる。

第5位 高杉晋吾 29回


修哲小学校出身だが、修哲トリオではない高杉くん。本当の名前は「晋吾」なのだが、「真吾」と誤記されることが多い。DFでは、次藤くんに次ぐ巨漢。
武蔵小との試合ではガラスのエース・三杉くんに抜かれて驚くシーンがある。29回中、単身で敵に抜かれて「なにィ」を言ったのはこのときだけ(石崎とかと一緒に驚くことはたくさんある)。
高杉くんの闘志に火をつけた三杉くんだったが、試合中、心臓病に苦しみ始めてしまう。しかし、高杉くんは手を抜かない。
後ろからチェックに行くのにも「止めるぞ三杉!!」と事前に声をかけ、三杉くんの心臓めがけてショルダータックル。ボールを奪って「よ…よし」と言っていた。相手の体調を気遣いながらもしっかりディフェンダーの役割をこなすところに、プロ意識の高さを感じる。
この他にも日向くんの突破を食い止めて、イエローカードを誘ったりするなど、活躍の場が随所にあったのだが、オリンピックではひっそりと選考漏れしていた。監督はどうかしている。

第3位 松山光 38回


ふらの小出身でさわやか旋風をまきおこした男。雪国で開発した弾道に低いシュート「イーグルショット」の使い手である。

「負け犬はグラウンドから出ろ」
ワールドユース編序盤では、練習試合に敗北し、賀茂監督の厳しい言葉に「なにィ」。
さらに、日向、岬、次藤、立花兄弟、早田、新田という主力7人がチームから追い出されたときにも動揺していた。
しかし、賀茂監督の真意を誰よりも早く理解する頭の良さを見せ、追放されても練習に顔を出す日向くんをビンタして合宿から追い出した。

第3位 次藤洋 38回


高杉くんと持ち味が被る男。語尾に「タイ」をつける巨漢。「こいつらいっタイ!!(こいつら一体の意)」というギャグをどさくさまぎれにかましたことがある。

「しょせんサッカーなんてこんなもんか…つまらんもんタイのう」
南葛中との試合では、勝利を確信し、ゴールポストにもたれて休憩していたのだが、ここから翼くんに「なにィ」をたくさん言わされて逆転負け。なんだか語順が何か違う気もしてくる。

ワールドユース編のサウジアラビア戦では、バルカンくんがディフェンスに戻ったのを見て、「なにィタイ」と叫び、彼のみに許されたオリジナル・なにィを披露していた。

第1位 日向小次郎 90回


翼くんのライバルであるフォワード。血気盛んな性格であり、他人と殴り合いになったり、言い合いになったりすることが多い。
中学時代では、大友中学・浦辺くんの高すぎる目標をコケにして口論に発展。
「南葛中をはじめてやぶるのはおれたち大友中だぜ」
「なにィ」「ハッハハハ そいつはムリだな よみうりランドでたたかった時のおまえらのプレイぶりをみたかぎりじゃ南葛を倒すのは夢のまた夢だな」
「なんだと!?」
「日向さんよ そういうことは一度でも日本一になってからいいな」
「なにィ」
浦辺くんたちをコケにして「なんだと!?」と言わせたが、新たに表れた新田に論破されて0-2の完封負け(新田くんは小学校で全国制覇経験済み)。小学校時代の日向くんならここから殴り合いを起こしていたんだろうが、意に介する様子はなかった。性格的に丸くなってしまった日向くんは、このあと、小学校時代の恩師から「牙のぬけおちたおりの中の虎」と評され、厳しいお叱りを受けることになる。

第1位 石崎了 90回


翼くんが南葛小学校に転校してきてから、小中、国際試合とずっと一緒に戦い続けてきた坊主頭の男。
翼くんのよき理解者であり、中学時代には、翼くんの恋路を邪魔する神田に度重なる牽制を入れている。
しかし、神田は早苗ちゃんに告白して断られても諦めようとしない。石崎くんは神田に諦めるように諭すが、「サルはだまってろっていうんだ!!」と激昂され殴られる。殴り返したい石崎くんだったが、サッカー部のためにも暴力事件を起こすわけにもいかず、じっとこらえていた。神田の「腰抜け野郎」という追い打ちの一言に、「なにィ」を返すので精いっぱいだった。
おちゃらけキャラの石崎くんは同級生からコケにされたり、実況の人にも小馬鹿にされたりすることがあるうえ、ポジションは「なにィ」がかさみやすいディフェンダー。しかし、得意技の「顔面ブロック」でチームのピンチを救うシーンが多く、日本代表の決死隊の一人として重宝されている。その代償で負傷交代しても、交代枠を1つ使うだけなので、立花兄弟よりもいい働きをしている気がする。
なにィ数90回で日向くんとともに同時優勝だ。

TOP10をすべて独占してしまった日本代表


TOP10すべてを日本人選手が独占する結果になってしまった。しかし、翼くん世代の日本代表は、ジュニアユース優勝、ワールドユース優勝という常勝チームである。「なにィ」を大量生産しながらも、なぜ常勝できているのか。ここで国際試合における「なにィ」数を各国と比較してみる。


メキシコ、スウェーデン、ナイジェリア、サウジアラビアに次いで第5位の少なさであることが分かる(ウルグアイと同位)。やはり、なにィ数が少ない方が試合に有利であることは間違いない。では、なぜ今回のTOP10を日本人が独占する結果になってしまったのか。ここで、もう一つのグラフを用意した。


初代『キャプテン翼』、『ワールドユース』編、『ROAD TO 2002』、『GOLDEN-23』、『IN CALCIO』、『EN LA LIGA』、『ライジングサン』。シリーズごとの平均「なにィ」数である。無印は翼くん世代の小中学生時代を描いた話。このころから登場していた古株たちが、精神的に未熟な段階でたくさん「なにィ」を言っているのだ。日向くんや次藤くんなど、南葛中と敵対していたころ、翼くんに「なにィ」を吐かされたという選手が多い。
サッカーの世界では観客を魅了するプレイをする選手のことを「ファンタジスタ」と呼ぶことがある。TOP10に入ってしまった彼らは「ファンタジスタ」の被害者でもあるのだ。
(山川悠)