若手芸人たちのサバイバル合宿『笑けずり シーズン2〜コント編〜』(NHK BSプレミアム 金曜22時)。先輩芸人の講義を受け、新ネタを作り、一番評価が低い組が脱落するリアリティショーだ。

3週間にわたる合宿を勝ち抜いたのはオダウエダ、マスオチョップ、おべんとばこの3組。
10月14日(土)、最後の1組を決める決戦が生放送&視聴者投票で行われた。


オダウエダがあるあるネタを……!


スタジオには舞台と客席が作られ、その横では合宿に講義を行ったロバート、サンドウィッチマン、シソンヌ、ジャルジャル、千原ジュニアが行方を見届ける。生放送というスペシャル感もあってか、「熱くなってきた!俺たちもネタやろうぜ!」(ロバート秋山)と先輩たちのテンションも高い。

1回戦のテーマは「旅」。ここで3組から2組にけずられる。ここで1位になったのはオダウエダ。荒唐無稽な設定で審査員の度肝を抜いてきた彼女たち。シソンヌの講義(第4回)で「リアリティ」を学んで以来、日常→非日常の落差を身につけたことでより面白さが増した。

初期のネタは「会社帰りにエビを見つけたと思ったらネコだった」というシュールすぎる出だしだったのに、1回戦で披露した「旅行帰り」では「旅行から帰ってきたら部屋の電気がつけっぱなし」という「あるあるネタ」から入っていた。最初のハードルは低く、徐々に高く。2位のマスオチョップにほぼ倍の票差をつけて断トツのトップである。

1回戦で削られてしまったのはおべんとばこ。激安旅館を舞台に、「かゆいくさい、でも旨い」という謎のかゆくさ団子や座敷わらし登場と、中川が繰り出すボケにオオハシくんが元気よくノッてツッコんだが、惜しくも届かず。合宿ではオダウエダ小田に恋していたオオハシくん、遂にここで小田と離されてしまった。木札をひっくり返す後ろ姿がさみしい。

運命の最終戦


さぁついに最終決戦……となるところだが、コントは衣装や小道具などの準備に時間がかかる。そこで「先輩からアドバイスを」と登場したのが昨年のシーズン1で優勝したザ・パーフェクト。「いつも通り」「自信を持って」という真っ当なアドバイスには、続いてコメントを求められた千原ジュニア、シソンヌも乗っかった。それにしてもこの最終決戦、舞台転換や投票タイムなどで間が開くことが多く、ネタを披露する若手のために大先輩たちがコメントでつないでくれる。優しさである。

最終決戦はテーマ無し。マスオチョップが披露したのは「万引き」。書店で万引きをした男を謎の「覆面レスラー仮面」が捕まえる。「お前誰なんだよ!」「話を聞け!」「誰なんだよ!」「私に興味を持つな!」という押し問答をワードセンスで笑いに変えていく。

対するオダウエダのコントは「星に願いを」。リコーダーを練習する子供に、優しく話しかけるシスター。流れ星に願いをかけると叶うと言う。言うとおりにしてみると、隕石は落ちてくるし、そこから象さんが出るし、リコーダーが突然上手くなってポテトが揚がる曲が吹けるようになるし、そして……と、相変わらずぶっ飛んだ内容。

果たして視聴者投票の結果は……

1位:マスオチョップ 4450票
2位:オダウエダ 2752票

マスオチョップの逆転優勝!
初回の最終オーディションではトップ通過だったマスオチョップ。しかし合宿中のネタ審査では苦戦が多く、1位通過はゼロ。マスオチョップを推していた足立梨花にも「途中であれ?出てるかな?という時期もあったんですけど……」と言われるほど、メンバーの中では影が薄い存在。しかしそこは芸歴9年の最年長。最後の最後でこれまでのネタに「勢い」を乗せてきていた。

最終戦を振り返って


マスオチョップのネタは、一人でいる男(西園)の元に突然気持ち悪いキャラ(松本)が現れる、というパターンが多かった。1回戦の「ジャングル体験ツアー」もこのパターンだった。

以前、ロバートが講義をした第2回のネタ審査で、マスオチョップは「気持ち悪いキャラを受け入れるのが早すぎる」というアドバイスを受けていた。突然なんだかわからない人が来たのに、すんなり話ができるのは不自然という指摘だ。以後、合宿のネタ審査では1位こそ取れなかったものの、キャラの受け入れ方は改善されていた。

そして最終決戦、ここに来てマスオチョップは「気持ち悪いキャラを受け入れない」というネタを作ってきた。当たり前に話そうとする仮面の男と、拒絶する男とのすれ違い。クロストークで激しく言い合う姿はこれまでのマスオチョップになかった強い勢いを生んだ。

オダウエダは1本目で爆発したものの、強烈なインパクトを放つネタが2本続き、見る側の胃がもたれてしまったのかもしれない。オダウエダは1日1回で長く効くのかもしれない。記録には残らなかったが、間違いなく記憶に残るコンビ。あの吸収力があるなら、今回の2位という結果も飲み込んでしまうだろう。

最後はこれまで削られてきた若手たちも舞台に上がり、ワイワイしているうちに生放送は終了。合宿で頑張る姿を見てすっかり情が移っているので、もうみんなみんな売れてほしいと思います。どうか辞めないで!

『笑けずり シーズン2』はこれにて終了。漫才、コントときて、もし来年シーズン3をやるのなら「ピン芸人」編が見たいなぁ。講師にバカリズム、友近、陣内智則、清水ミチコ、ハリウッドザコシショウとかどうですか!

(井上マサキ)