福岡・太宰府天満宮は、「御本殿」を2023年5月から約3年間かけて大改修を行う。それに伴い、改修期間に参拝客を迎える「仮殿」が誕生。

太宰府天満宮「御本殿」を大改修

全国天満宮の総本宮、太宰府天満宮。学問・文化芸術・至誠の神として知られる菅原道真公を祀る神社だ。

そんな太宰府天満宮が、菅原道真公が薨去してから1125年という大きな節目を迎える2027年の式年大祭に向けて、重要文化財「御本殿」の大改修を実施。124年ぶりとなるこの大改修は、2023年5月から約3年間をかけて行う。

3年間限定の「仮殿」誕生

デザイン・設計は藤本壮介建築設計事務所

改修期間は、御本殿前に完成した3年間限定の「仮殿」によって参拝客を迎える。「仮殿」のデザイン・設計を手掛けたのは、国内外で活躍する建築家であり、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーも務める藤本壮介率いる藤本壮介建築設計事務所。太宰府天満宮周辺に広がる、豊かな自然が御本殿前に飛翔し、仮殿としての佇いを作り上げることをコンセプトに、屋根に“森”が広がる新しくも美しい「仮殿」を完成させた。“森”には、天満宮の花守たちによって境内地で育てられた梅も含まれている。

御帳と几帳はマメ クロゴウチ

「仮殿」のために仕立てられた御帳(みとばり)と几帳(きちょう)は、マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)によるもの。菅原道真公と太宰府天満宮が紡いできた歴史に着想を得て、現代の織機を用いながら、古代染色などの古来の手法と融合させ、今でしか作れない生地を生み出した。

御帳には、全面に天満宮を象徴する梅の木をデザイン。色・柄ともに左右に向かって美しいグラデーションを成す構図によって、天満宮全体がもたらす生命の広がりを表現した。

一方、几帳には、境内で採集した梅や樟の枝、貴重な紫根によって古代染色を施したシルクを採用。流れるような糸の飛ばしが特徴的な織りは、デザイナーの黒河内真衣子が体感した境内に降り注ぐ生命の雨をイメージしたものだ。3年間限定の特別な「仮殿」。ぜひこの機会に、訪れてみてほしい。

【詳細】
太宰府天満宮「仮殿」
期間:2023年5月〜約3年間
場所:太宰府天満宮
住所:福岡県太宰府市宰府4-7-1