先週の日経平均は下落。9日の欧米国市場が軟調だったほか、為替市場ではドル売り圧力が強まるなか、祝日空けの日本株市場は売り先行で始まった。その後も11日にトランプ次期米大統領がNYで記者会見を予定していることもあり、様子見姿勢が強いなか利益確定の流れが続いた。



注目されたトランプ次期米大統領による記者会見では、「日本などとの貿易で米国は多額の損失を被っている」などと述べ、米利益最優先を強調。また、薬価高騰を理由に製薬業界に適切な入札方式を導入する意向を発表したほか、防衛予算のコスト削減に言及した。一方で投資家が期待していた経済政策の具体策への言及がなかったことなどから、ドルを売って円を買う動きが広がり、円相場は1ドル114円台に突入するなか、これを嫌気した流れから売り優勢の展開に。大発会はトランプ政権への期待から4年ぶりといった好スタートを切ったが、先週はトランプ氏の会見を受けて一時19100円を割り込むなど、トランプ次期米大統領に振らされる相場展開となっている。



トランプ次期米大統領の就任式を控えていることもあり、もう一波乱を警戒する流れも意識しておく必要がありそうだ。先週のトランプ氏の会見は想定内といったところであったが、円相場が1ドル114円台と円高に振れて推移していることが重しとなった。また、調整局面で日銀のETF買い入れへの思惑もあったが、戻りの鈍さからややセンチメントが悪化した格好。昨年後半からの株高・円安により、ETFの減額等を警戒する声も聞かれ始めていた。これにより日経平均はあっさり25日線を下回ったほか、価格帯別出来高をみると、比較的商いの膨らんでいる水準を下回る半面、現在は商いの薄いところに位置しており、19000円辺りを割り込んでくるようだと、18500円辺りまでは早いと考えられる。そのため、短期筋の売り仕掛け的な商いには注意する必要があるだろう。



また、決算シーズンとなるなか、13日にはJPモルガン・チェースなど米金融株の決算が発表された。JPモルガンの2016年10-12月期の純利益は前年同期比24%増だった。トランプ相場を受けたトレーディング収入の増加が寄与し、市場コンセンサスを上回っている。バンク・オブ・アメリカもコンセンサスを上回っており、この結果を受けた週明けのメガバンクの動向も注目される。足元で不透明感が高まりつつあるが、メガバンクが底堅さをみせてくるようだと、相場全体の底堅さがより安心感につながることになる。また、今週は17日にモルガン・スタンレー、18日にシティグループ、ゴールドマンサックスの決算が予定されている。



その他、外部環境の不透明感を警戒するなか、リスクを回避する流れから相対的に出遅れているセクターや中小型株での個人主体による値幅取り狙いの売買に向かいやすいと考えられる。先週はフィンテック、ブロックチェーンといった銘柄が賑わう場面がみられていた。全体の方向感が掴みづらい状況のなかでは、より値動きのよい銘柄やテーマ株等に短期資金が集中しやすいだろう。



経済スケジュールでは16日に機械受注(11月)(10月の「船舶・電力を除く民需」の受注額は前月比4.1%増)17日に訪日外国人客数(12月と2016年)、独ZEW景況感指数(1月)、17-20日に世界経済フォーラム(WEF)年次総会がスイスのダボスで開催される。18日に米鉱工業生産指数(12月)、米消費者物価指数(12月)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。19日にECB金融政策発表、ドラギ総裁が記者会見するほか、米国ではイエレンFRB議長が講演する。20日には中国の10-12月GDP、そして、ドナルド・トランプ氏が第45代米大統領に就任する。



その他、通常国会が20日に召集される。通常国会の会期は150日間で、延長がなければ6月18日が会期末になる。デフレ脱却に向けて金融政策、財政政策、成長戦略の3本の矢を打ち続けていく。今月下旬には米国でトランプ次期大統領との首脳会談も調整していると伝えられており、トランプ物色が改めて強まるきっかけとなる可能性もありそうだ。