FRBが開催する連邦公開市場委員会(FOMC)に注目だ。FRBは今会合で利上げを見送ると見られている。利上げが一時停止されれば1年3か月ぶりだ。FRBのパウエル議長は先月、これまでの利上げの効果や一連の地銀経営破綻が与信に与える影響について、一息入れて検証したい考えを示し、金融引き締めキャンペーンの一時停止を示唆。4月消費者物価指数(CPI)、4月卸売物価指数(PPI)がともにインフレの鈍化基調を証明したことが利上げ停止観測につながったほか、5月雇用統計が強弱入り混じる内容となったことも、市場はFRBに利上げを休止する根拠を与えたとみている。今会合ではパウエル議長の会見や声明に加えて、四半期に一度のメンバーの経済・金利見通しが公表される。6月に利上げを停止した後、7月に利上げするとの観測も広がっているが、FRBの今後の動向を見極めるためにも、メンバーの予想がより明らかになる経済・金利見通しには注目だ。



また来週は5月消費者物価指数(CPI)、5月卸売物価指数(PPI)が相次ぎ発表される。CPI、PPIともに前の月から伸びの鈍化が予想されており、インフレ圧力の緩和が確認されれば、FRBにさらなる利上げ停止根拠を与えることになるだろう。しかし、物価指標、FOMCの内容によっては金融引き締め長期化への懸念が再燃し、相場の重石となりかねないため注意したい。



経済指標では、5月財政収支(12日)、5月消費者物価指数(CPI)、5月NFIB中小企業楽観指数(13日)、5月卸売物価指数(PPI)(14日)、5月小売売上高、5月輸入物価指数、新規失業保険申請件数、6月ニューヨーク連銀製造業景気指数、6月フィラデルフィア連銀景況指数、5月鉱工業生産・設備稼働率(15日)、6月ミシガン大消費者信頼感指数、(16日)などが予定されている。さらに、FRBは13日、14日の2日間にわたりFOMCを開催する。



企業決算では、ソフトウェアメーカーのオラクル(12日)、住宅建設会社のレナー、医療用大麻会社のオーロラ・カンナビス(14日)、ソフトウェアメーカーのアドビ、スーパーマーケットチェーンを運営するクローガー(15日)などが予定されている。



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