物価の優等生に異変(9月23日)数年前からバナナダイエットに励んでいた福島市の男性が「女房が買ってくれなくなった」とこぼしている。高値が続き、費用対効果に疑義が生じたらしい。ひと頃よりは落ち着いたが、物価の優等生に変化の兆しが見える。実は高値傾向はここ数年来、じりじりと続いてきた。4年前にフィリピンの産地が台風で壊滅的な被害を受けた。新パナマ病という病気が追い打ちを掛ける。流行で生産量がガクンと落ちてしまった。絶滅の恐れまで指摘される。30数年前に発刊された岩波新書「バナナと日本人」で、鶴見良行さんは「海の向こうの生産者に思いをはせよ」と説いていた。季節の変わり目に疲れが出て食欲も落ちる「秋バテ」にバナナは最適だという。多様な栄養素が含まれ、疲労回復や睡眠不足に効果があるとされる。調理の必要がなく手軽に食べやすく、腹持ちが良い。値頃感もあり、庶民の果物だったのだ。おなか周りが気になりだした男性は細君を説得し、「特売日なら」との言葉を引き出した。「こんだけ安くしても買わねえか」。フーテンの寅さんのような名調子を期待しているという。ただ産地の苦境を思えば、「たたき売り」はもったいない。