郡山市の情報通信業「ウェブレッジ」は、スマートフォンの内蔵カメラで、使っている人の感情を読み取る画期的なシステムを開発した。同社は消費動向などに関する国内大手の調査会社との間でシステムを活用した調査の事業化に向け検討に入った。スマホによる感情読み取りが事業化すれば国内で初めてとなる。■表情見分けて消費動向把握 開発したシステムでは、使用者の顔に設定した多数のポイントの動きを基に表情を分析し、画面を見ている時の感情を「良い」「悪い」「普通」の3種類に識別する。どの部分をどの程度、注視していたかも測定し、スマホで閲覧中のホームページや動画などへの好感度、興味を引いた部分などを調査会社などが把握できる仕組みだ。 例えば、調査会社がモニター協力者に集まってもらい、それぞれのスマホに専用のアプリケーションを読み込ませた上で、調査対象のホームページなどを閲覧してもらう。見ている人の感情や注目している項目などを基に、商品やホームページの内容を評価・検証し、効率的な情報提供に結び付ける。 同社は、多くのモニターの感情表現のデータを入力したデータベースと照合しながら、独自の計算方式で分析するシステムを構築した。今後も随時、データを追加入力して精度を一層高めていく。 調査の事業化の検討を進めている大手調査会社とともに実証実験に入っている。閲覧者のニーズに応じて映像や文章などの情報を適切なタイミングで提供できる仕組みづくりに向けても連携していく。 発案者でもある佐藤保社長(42)=郡山市出身=は「情報量が多い現代社会で、消費者に最適な情報を絞って提供できる体制につながるシステムだ。将来的には消費者個々の好みや趣味に応じたコンテンツが自動的に表示できるようにしたい」と意気込む。■佐藤社長「福島と成長」 佐藤社長は会津大の一期生。同大の大学院を修了後、富士通や飲食店検索サイト運営大手ぐるなびなどを経て平成21年に東京に仲間4人で現在の会社を設立した。東日本大震災が発生し、「福島の企業として復興を支えたい」と27年に、本社を郡山市に移転した。 企業が開発したスマートフォンなどのアプリケーションやソフトウエアをチェックし、不具合(バグ)や改良点を洗い出す事業をメインとしている。県内の復興を一層進めるためにも、今回開発したシステムを活用してさらなる飛躍を図る。「福島と共に成長して世界で活躍できる企業になる」との思いを胸に株式上場を目指す。 ウェブレッジは今年度のふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)で銀賞に選ばれている。