南相馬市博物館の特別展「桜井先生のあつめた浜通りの花々〜桜井信夫 半世紀、1万点の押し花標本・写真コレクション〜」は14日から南相馬市原町区の同博物館で開幕する。東日本大震災と原発事故で様変わりした相双地方に生息していた植物や自然形態などを知る貴重な資料展。一般公開を前に12日、特別公開が行われた。 資料は元小学校教諭で南相馬市のあぶくま生物同好会長の桜井信夫さん(86)が本県沿岸部で集めた約1万点の植物標本などの一部。綿密な現地調査による植物の分布情報が書き込まれた地図や写真もある。桜井さんは震災前に約半世紀をかけ、本県沿岸の約160キロをくまなく歩き、浜通りの植物研究をしていた。今では津波で見られなくなった種類や原発事故で立ち入りができない地域の植物も数多くあり、震災前の生態系を知る上で重要な資料となっている。震災後に福島大でデータベース化されている。 特別展は市博物館と福島大資料研究所の共催で企画した。富岡町に生息していた珍しい「コモウセンゴケ」や浪江町で発見された絶滅寸前の希少種「イワアカザ」、50年前の「シャリンバイ」の標本などが並ぶ。 特別公開では堀耕平市博物館長、桜井さん、黒沢高秀福島大共生システム理工学類教授があいさつ。同館の仲川邦広学芸員と桜井さんが各資料について説明した。桜井さんは「一年のうち300日以上調査に費やした年もあった。人間も自然の生態系の一つであると思う。これからも調査を続けていきたい」と話している。 特別展は3月26日まで。3月5日午後1時半からは、桜井さんによる展示解説会が開かれる。開館時間は午前9時から午後4時45分(入場は午後4時)まで。原則月曜日休館。観覧料は一般300円。問い合わせは、南相馬市博物館 電話0244(23)6421へ。