福島県いわき市小名浜のみさきプレステージリゾートは10月3日、本格的な観光客受け入れへ向け、名称を「ホテル花天(かてん)」と変えて再スタートを切る。施設に発光ダイオード(LED)を使った葉物野菜の水耕栽培場や、海を望める大浴場の整備などを急ピッチで進めている。
 ホテルの経営権も大阪の不動産会社から、同市の企業が取得した。ホテルの建物は東日本大震災で損傷し、一時業務を中止。約半年後に宿泊の業務を再開したが、復興に従事する作業員らがほとんどだった。再スタートを機に、震災と原発事故後、減少している観光客の受け入れを開始する。
 小名浜では震災後、除染作業や港湾復旧工事など、復興事業に携わる人たちの宿泊が増えていたが、最近は宿泊者が減少。小名浜旅館ホテル組合の大平均組合長によると、小名浜の宿泊業は「非常に厳しい状況」という。小名浜の観光の魅力である「食」について、風評被害や漁業の本格操業自粛などが影響しているとみている。
 ホテルでは、「三崎温泉」の供給も同時に再開するほか、LEDによる野菜栽培も開始。安全安心な野菜を夕食として提供し同施設の目玉とする予定。
 また、同市の観光施設アクアマリンふくしまや、いわきデイクルーズが運行する観光遊覧船のチケット付きプランを設定する。ホテルの新妻浩二副支配人は「小名浜の観光復活の一助になれば」と話す。