本田、試合終盤に途中出場

 ミランは現地時間20日のミッドウィークにセリエA第5節でラツィオと対戦し、2-0の勝利を収めた。日本代表の本田圭佑は2点目が決まった後の試合終盤に投入され、今季2試合目の出場を果たした。しかしその後は得点に絡むことはできず、勝利に貢献したとは言い難い。よりアピールをしたければ、攻撃面で違いを生み出すプレーをしていかなければならない。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

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 ミッドウィークのラツィオ戦。スタメンを固定して戦っていても過密日程では維持が難しいので、本田圭佑の途中出場はあるのではないかと考えていた。実際、1-0で折り返した後半の頭から、本田はグスタボ・ゴメス、マヌエル・ロカテッリとともにアップを命じられた。

 しかし、出場は後回しになった。リードを保っている展開で、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はまず18歳のロカテッリを投入する。その時、呼ばれたのは右ウイングのスソだった。ロカテッリは中盤の底に入り、リッカルド・モントリーボはインサイドMFにずれる。インサイドMFとして先発していたジャコモ・ボナベントゥーラは左ウイングへ上げられ、左ウイングを務めていたエムバイエ・ニアンが右に回った、ということだ。

 これには、2つの意図があったようだ。まずは、中盤のボールキープの向上。3-5-2で先発したラツィオは後半の頭から4-3-3へシステムを変更して攻めに来ていたが、モンテッラ監督はつなぎを向上させることで逃げ切りを図った。

 敵将のシモーネ・インザーギ監督は試合後、地元メディアに対して「あれでモントリーボやロカテッリにパスをつなげられるようになったので、付け入るところがなくなった」と振り返っていた。

 そしてもう一つの意図は、前線の攻撃陣に敏捷性を保たせたかったことだ。試合後の「マンマークをされていたので、前線の選手にもっと動いてもらう必要があった」と語った。その上で、本田はアジリティに欠けると判断されたということか。

 結局本田の出場は、その13分後になった。ボナベントゥーラと交代し、ニアンが再び左へと回され、本田は右に付いた。

アピールしたければ攻撃での貢献を

 肝心なのは、たとえ少ない時間でも何をやろうとしたかだ。守備組織のバランスをきちんと保ちつつ、攻撃の流れを作ろうという努力は見えた。。41分、中盤で守備に入ったのち、深い位置からドリブルで突破してボールを運ぼうとする。プレスをかけられる中を粘り強くかく掻い潜ってパスを出したが、これは相手に引っかかった。

 42分にはチームが3-5-2に変更したため2トップの一角に上がり、43分には2トップを組んだニアンへワンタッチでパスを出そうとする。

 そしてアディショナルタイムには独力でシュートチャンスを作った。30メートルほどをドリブルで攻め上がり、マーカー2人を外して中央のクツカへクロス。クツカはボール処理に手間取りシュートを打てなかったが、近くに寄った本田はこぼれ球を拾い、エリア外から右足でシュートを狙う。もっとも利き足でない右で放たれたシュートは、精度なく大きくゴールの上方へそれた。

 前半、ボナベントゥーラは同様の距離から左足でミドルシュートを狙い、最終的には相手GKにセーブされたものの枠内へと収めている。違いを生み出せる選手は、不得意な状況でも決定的なプレーを繰り出してしまうものだ。

 無茶を言うようではあるが、ワンプレーでゴールを脅かすことができるというアピールをしたければ、右足とはいえやはり枠に収めて欲しかったところである。

 ともあれ、チームはリードを守って勝利した。得点に絡んでいるわけでもないし、出場時間を考えれば勝利に関与したとは言えないかもしれない。だが出された以上は全力を出し、攻撃的プレーヤーならば出来る限りボールを前に運び、体を張ることが重要である。本田にとって今は我慢の時だが、チームへのこうした貢献を積み重ねていく他はない。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)