大一番UAE戦、果たして先発予想は?

いよいよU-16日本代表が今日UAE戦を迎える(23時30分キックオフ)。この試合に勝てばU-17W杯出場権を得ることができる。大一番となる一戦の注目ポイントはどこなのか?(取材・文:元川悦子【ゴア】)

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93年日本、95年エクアドル、2001年トリニダード・トバゴ、2007年韓国、2009年ナイジェリア、2011年メキシコ、2013年UAEと過去6回のU-17W杯に出場してきた日本。しかし、前回の2015年チリ大会はアジア最終予選敗退を余儀なくされ、森山佳郎監督率いるU-16日本代表は再び世界切符を手にするためにここまで1年半、努力を続けてきた。その集大成となるのが、25日のAFC・U-16選手権準々決勝・UAE戦(インド・ゴア)だ。

「(2018年ロシアW杯アジア最終予選初戦に負けた)A代表のリベンジとか、いろんなことを背負ってやるより、とにかく選手たちには『ピッチで暴れて来い』と。消極的になって負けたら、そんな後悔はない」と前日会見に臨んだ指揮官も神妙な面持ちで語っていたが、今はチームとして持てる力を全て出し切るしかないだろう。

重圧のかかる大一番を翌日に控えた23人の選手たちは24日、夕方16時過ぎからインドリーグのチャーチル・ブラザーズなどが使用しているティラク・マイダン・スタジアムで最終調整を実施した。時折、豪雨に見舞われる中、負傷で別メニューの続く小林友希(神戸U-18)を除く全員が1時間半弱の熱のこもったトレーニングを消化した。

注目の戦術確認では、主力組と見られる側に、GK谷晃生(G大阪ユース)、DF(右から)喜田陽(C大阪U-18)、菅原由勢(名古屋ユース)、瀬古歩夢(C大阪U-18)、菊地健太(JFAアカデミー福島)、ボランチ・平川怜(FC東京U-18)、福岡慎平(京都U-18)、右MF久保建英(FC東京U-18)、左MF中村敬斗(三菱養和)、2トップ・宮代大聖(川崎U-18)、棚橋尭士(横浜ユース)というイレブンが陣取った。

UAEの要注意ポイントはどこか?

 森山監督が「全員が結果を出していて誰を選ぶか迷うほどの嬉しい悩み」と語っていた攻撃陣は、「相手の背後のスペースがあまりないので、ガンガン裏に走るタイプを置いてもなかなか難しい。狭い局面の崩しを考えた方がいい」という考え方で、ターゲット役をこなせる宮代とドリブル突破に長けた棚橋という組み合わせになったようだ。

 守備陣も小林のケガで瀬古と監物拓歩(清水ユース)のコンビが有力視されたが、相手のスピーディーなカウンターを想定すると速さのある菅原のセンターバック起用が最善だと判断されたのだろう。

 UAEは攻撃時4-5-1、守備時は4-4-2という可変的な布陣を採るチームで、1トップのファウジ(14番)と右サイドのアルカミス(11番)が強烈なスピードを誇る。このため、アルカミスとマッチアップする予定の菊地に課せられる責任は重い。

 「相手の11番がキープレーヤーなんで、簡単にやらせないっていうのが僕の仕事。しっかり押さえたいと思います。タテ切って、中に行かせて、中盤の(福岡)慎平選手らと協力して取れたらいいなと。タテには絶対行かせないことはしっかりやりたいです」と今大会全試合に出場している屈強なフィジカルを持つ左サイドバックは力を込めていた。

 彼をサポートする側に回るキャプテン・福岡も「相手のサイドハーフがタテに走ってくるので、そこでセンターバックがつられた時に、僕がセンターバックのポジションに入ってしっかりカバーしてやっていかないと明日は厳しくなってくる。そこを今日みんなで話し合って対応したい」と守りの共通意識を再徹底させていくつもりだという。

「タケのところで仕掛けたら」。久保への期待感

強固な守備組織を構築できれば、あとは攻撃陣が決めるべきところで決めればいい。16日のベトナム戦と22日のオーストラリア戦で各1点ずつを叩き出しているエースFW宮代もその自覚をより強めている様子だ。

「オーストラリア戦前半も何度かチャンスがあった中、決めきれずにいた。UAE戦はオーストラリア戦ほどチャンスがないと思うし、最初のチャンスで決めきることは意識していきたい。

相手は守備固めてくるんで、ミドルシュートとか、振り向きざまのシュートとか、やっぱり今までにないシュートの形を増やしていきたいと思います」と、彼は意外性のあるプレーを出して、日本に世界切符をもたらすゴールをもぎ取るつもりだ。

彼ら3人のみならず、今大会4ゴールずつを挙げている棚橋、久保が貪欲に仕掛けて相手のファウルを誘い、PKやFKを取ることも重要だ。森山監督もこの日の練習で久保に対して「タケのところで仕掛けたら相手はズルズル下がってくるから、引っかければPKをもらえる」と練習中にも熱っぽく語りかけていた。どんな時も冷静沈着な背番号9なら指揮官の要求を忠実に遂行できるはず。その潜在能力の高さを大舞台で示してほしい。

彼らチーム全体がそれぞれの持ち味を出し、組織としての一体感や連動性を発揮できれば、日本がUAEに足元をすくわれるはずはない。U-16日本代表は4年後の東京五輪や2022年カタールW杯を見据える上で、重要な世代。少しでも国際試合の経験を増やすという意味でもU-17W杯を逃すわけにはいかない。UAE戦は勝利が絶対条件だ。