CLレアル戦。BVBは守備陣に不安要素

 現地27日夜、ホームにレアル・マドリーを迎えるボルシア・ドルトムント。CLの大一番と言える一戦だが、香川真司は厳しい状況だ。トゥヘル監督はこれまでいくつものサプライズを起こしてきた。可能性はなくはないが……。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

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 勢いと実力は違う。2016年9月27日のチャンピオンズリーグ(CL)グループF第2節、ボルシア・ドルトムントはホームにレアル・マドリーを迎える。

 26日付の『キッカー』誌は今週行われるCLのプレビュー欄を「スペイン・ウィーク」と題した。第2節はドイツ勢3チームがスペイン勢と対戦する。他会場ではバイエルンがアウェイでアトレティコと、ボルシアMGはホームでバルセロナと戦う。とりわけドイツに2日連続でジネディーヌ・ジダンとルイス・エンリケが交互にやってくる様は、なかなか豪華絢爛である。

 ドルトムントは14日のCLレギア・ワルシャワ戦から、公式戦4連勝でレアル戦を迎えることになった。4試合で20得点2失点と結果を残して、波に乗っている。しかし『キッカー』誌が「欧州のトップレベルを体現する」と記すように、“エル・ブランコ”は今季の対戦相手とは次元の違うクラブだ。

 決して連勝で得た自信は無駄ではないが、“勢い”だけではどうにもならない相手もまたこの世界には存在する。「欧州のトップレベル」との試合で、ドルトムントの現時点での“実力”が明らかになると言えそうだ。

 ドルトムントは不安要素を抱えている。CBのポジションだ。融合が順調に進んでいた新戦力バルトラが20日のボルフスブルク戦で負傷離脱した。そこで23日のフライブルク戦ではギンターが代わって4バックに入った。

しかし、試合中に何度かギンターが残ってオフサイドを掛け損なうなど、DFラインは不安定な姿を見せてしまう。そうして60分には、ギンターがマキシミリアン・フィリップにあっさりかわされて失点を招く。リオ五輪に参戦したギンターの状態は良くない。

 終了間際に3-1とするゲレイロの鮮烈なダメ押し弾でうやむやになったが、フライブルク戦は格下相手の接戦だった。レアル戦ではロナウド、ベイルらが繰り出すシンプルで破壊的なカウンターの脅威に、常に晒されることになりそうだ。そして、香川はどうなるだろうか。

厳しい状態の香川。トゥヘルのサプライズはないわけではないが…

 ここ2試合連続で出場機会のなかった香川真司が、レアル戦で先発することは考えにくい。インサイドハーフではカストロとゲレイロが絶好調。ゲッツェも順調にコンディションを上げている。

 もっとも数々の“前科”があるトゥヘルが、レアル戦に特化した奇策を打ってくる可能性もある。そこで香川の先発出場もあり得るのかもしれない。“肩透かし”はトゥヘルの十八番だ。

だが、まだグループステージの2試合目で、突破のために勝たなければならない状況ではない。攻撃的布陣で博打を打つ必要はないだろう。もし大敗となれば、新ポジションで水を得たゲレイロに体現される連勝の“勢い”はうやむやになってしまう。

 そうすると布陣は4バックに2ボランチの[4-2-3-1]もしくは、昨季後半戦のバイエルン戦で採用した[5-3-2]だろうか。5バックに3ボランチで中盤を排除した超守備的布陣である。なお、そのバイエルン戦で香川はベンチ外だった。

 やはりレアル戦で香川はベンチスタートだろうか。「欧州のトップレベル」を相手に出場機会が与えられたなら、ポジションを奪い返すためにも、鬼気迫る何かを証明したいところだ。このレアル戦を境に、ドルトムントの状態がリセットされる可能性もある。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)