国内組が急増した韓国代表

 W杯アジア最終予選を戦う韓国代表。10月の連戦に向けてメンバーを発表した際、シュティーリケ監督が突然謝罪した。韓国は9月の連戦で1勝1分。連勝を狙っていたとはいえ、謝罪にまで追い込まれた背景には何があるのか。(取材・文:キム・ドンヒョン【城南】)

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 26日、2018年ロシアW杯最終予選第3・4戦を戦う韓国代表メンバーを発表する記者会見が開かれた。ホームでカタールと、イランでアウェイ戦を戦う。ウリ・シュティーリケ監督が出した23人は以下の通り。

GK: キム・スンギュ(神戸)、キム・ジンヒョン(C大阪)、クォン・スンテ(全北現代)

DF: キム・ギヒ(上海申花/中国)、ホン・ジョンホ(江蘇蘇寧/中国)、チャン・ヒョンス(広州富力/中国)、カク・テヒ(FCソウル)、イ・ヨン、チョン・ドンホ(以上、蔚山現代)、オ・ジェソク(G大阪)、ホン・チョル(水原)

MF: チョン・ウヨン(重慶力帆/中国)、キム・ボギョン(全北現代)、ハン・グギョン(アール・ガラファー/カタール)、ソン・フンミン(トッテナム/イングランド)、イ・ジェソン(全北現代)、イ・チョンヨン(クリスタルパレス/イングランド)、キ・ソンヨン(スウォンジー/イングランド)、ナム・テヒ(レクイヤ/カタール)、グ・ジャチョル、チ・ドンウォン(以上、アウグスブルク/ドイツ)

FW: ソク・ヒョンジュン(トラブゾンスポル/トルコ)、キム・シヌク(全北現代)

 一見普段と変わらないと感じられる。しかし、前回のメンバー構成とは全く違う。国内組が前回招集メンバーの1人から8人と急増しているところだ。ベテランのカク・テヒを含め、細密な左足が持ち味のホン・チョルが代表に復帰。そしてJリーグファンにもおなじみのキム・ボギョンが久々に代表に名を連ねた。

 一方、チョン・ソンリョン(川崎)が膝炎症で漏れ、小柄ながら国内屈指の反射神経を持つクォン・スンテが加わった。また前回は20人のみ招集されていたものの、今回は23人しっかりと呼んでいる。そしてシュティーリケ監督は自ら“反省”を口にし、この招集名簿に意味を込めた。

クラブで出場していない欧州組の起用に批判。そして謝罪

 シュティーリケ監督は記者会見で「正直に打ち明けたい。9月の2連戦(中国・シリアとの試合、この2試合で韓国は1勝1分)で私は3つのミスを犯してしまった」と激白。招集メンバーの発表会見では異例な発言だ。彼が挙げた3つのミスとは以下の通り。

・アウェイのシリア戦(スコアレスドロー)で芝の状態に言及し、言い訳をしたこと。
・選手たちの体力が落ちていた際、交代カードを使うタイミングを逃したこと。
・23人の選手を招集できたのに20人しか招集しなかったこと。

 監督が自分の采配やメンバー招集に関してここまで謝罪する、しかも試合後のインタビューでもなく、メンバー発表記者会見で発するのは実に異例な場面である。しかし、これはシュティーリケ監督が韓国サッカーに興味を持っている証でもある。

 というのは、自ら激白したミスが実は9月の2連戦すべて韓国マスコミやファンの間で猛反発を起こしたことであるからだ。特にシリア戦では、欧州組をほとんど使い切りながらもスコアレスドローに持ち込まれ、批判に晒された。出場機会に恵まれていない欧州組を無理に出場させているとファンの間では“解任すべき”という過激な意見があったほどだ。

 だが、指揮官はそれをすべて受け止めたうえでしっかりと謝罪の声を発した。23人の選手枠を埋めたのはもちろん、ファンが待ち望んでいた通り、Kリーグクラシック(1部)で今まで破竹の勢いと無敗(17勝14分)を走る全北現代の主軸メンバーを呼んでいる。

 韓国マスコミもこの発言をポジティブにとらえている。韓国のニュース通信社『News1』は「シュティーリケ監督が初めて味わった試練の時間を克服するため出したカードは自らのミスを認め、外部のアドバイスを受け止めるオープンな姿勢だった」とした上で「ファンの声に耳を傾けたのはすごい勇気」という主旨で称えた。

 自らのミスを素直に認め、新たな出発を掲げたシュティーリケ監督と韓国代表。カタールとイランは決して簡単に勝ち越せる相手ではない。監督の勇断がこの2連戦でどのような成績を持ってくるのか、期待されるところだ。

(取材・文:キム・ドンヒョン【城南】)