イングランドにおける監督スキャンダルは、新たな広がりを見せている。2部QPRで監督を務める元オランダ代表FWのジミー・フロイド・ハッセルバインク氏も、“潜入取材“により不正が暴かれたと報じられた。

 英紙『テレグラフ』は潜入取材を通して、イングランド代表の監督を務めていたサム・アラダイス氏が、国際サッカー連盟(FIFA)などが禁じる第三者による選手保有を促進するための指南役を務める契約を結ぼうとしたとのスキャンダルを暴露。アラダイス氏は事実上の解任となる契約解消に追い込まれた。

 イングランドサッカー会の腐敗について長期の取材を行う中でアラダイス氏の不正にたどり着いたとみられる『テレグラフ』紙は、その一環として新たな不正の疑惑を告発した。ハッセルバインク氏は、自身の率いるQPRに選手を売りつけたいと望む企業のために、アドバイザーを務める見返りとして多額の報酬を要求したとされている。

『テレグラフ』紙が公開した動画の中で、ハッセルバインク監督はアジア企業の代理人を装って接触した記者と交渉。シンガポールを訪れてスピーチを行う見返りとして3万5千から4万ポンドの報酬を提示されたが、これに満足せず、5万5千ポンド(約725万円)への増額を引き出した。

 QPRはこの報道を受け、内部調査を行うとしながらもハッセルバインク監督への信頼を強調。同監督自身は「スピーチを行うことで報酬を提示されるのはおかしなことだとは思わない。QPRに選手獲得を要請してはおらず、個人の利益のために選手獲得を要請することはない」と不正を否定している。

 ハッセルバインク氏は現役時代にリーズやアトレティコ・マドリー、チェルシーなどで活躍した名ストライカーであり、プレミアリーグで2度の得点王のタイトルを獲得。オランダ代表でも1998年ワールドカップを含む23試合に出場した。現役引退後は指導者の道を歩み、昨年12月からQPR監督を務めている。

『テレグラフ』はまた、2部バーンズリーのアシスタントコーチであるトミー・ライト氏にも同様の不正があったと報道。バーンズリーは内部調査を行う間ライト氏を業務停止とすることを発表している。また、2部リーズのイタリア人オーナーであるマッシモ・チェッリーノ会長に対しても不正の疑いが告発されている。