伝統の一戦。鍵を握るサイドの攻防

 現地時間2日、プレミアリーグ第7節でレスター・シティとサウサンプトンが対戦する。歴史ある2クラブにはともに日本人選手が在籍しており、彼らの直接対決が見られるかもしれない。上位を狙うため波に乗りたい両者の対戦で鍵を握るポイントはどこか、日本人対決は実現するのか、伝統ある一戦の行方を占う。

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 レスター・シティとサウサンプトンが初めて対戦したのは118年前、1898年1月29日のことだった。それから剣を交えること82回。レスターが25勝、サウサンプトン31勝、引き分け26回とほぼ互角の戦いを繰り広げてきた。

 83回目の対戦はどちらか。勝負の鍵は両サイドの攻防にありそうだ。サウサンプトンは公式戦5試合負けておらず、好調を維持している。その要因は両サイドバックの働きにあった。

 前節3-0で勝利したウェストハム戦で、サウサンプトンのサイドバックはハイライトに何度も登場した。それもそのはず。ボールタッチ回数は左のライアン・バートランドが54回、右のセドリック・ソアレスが65回を記録し、それらの多くが相手陣内だった。

 4-3-1-2のフォーメーションを採用し、中盤は3枚のセントラルMFとトップ下で構成するサウサンプトンは、ペナルティエリアの幅で攻撃を組み立てながらサイドバックの攻め上がりを促す。そして機を見て飛び出したインサイドハーフや、オーバーラップしたサイドバックに展開してチャンスを作っていく。

 ウェストハム戦ではバートランドが先制点をアシストし、セドリックは果敢な飛び出しで惜しいシュートを放った。また、中央に人を多く配置しているため、高い位置をとったサイドバックがボールを持った際に、3人ないし4人が躊躇なくペナルティエリアに入ってゴールを狙う。

 エンゴロ・カンテという超一流のフィルターを失ったレスターの守備陣はボールを奪う位置が低くなりがちで、センターバックの足回りの悪さが目立ってしまっている。俊敏さに欠けるウェズ・モーガンとロベルト・フートの2人が押し寄せるゴールハンター達をいかに止めるか注目だ。

岡崎と吉田の出場は?

 サイドバックが攻撃的に振る舞うと相手のサイドアタッカーを自陣に押し込むことができる。つまり主導権を握れれば相手のキープレイヤーを封じ込められるのだ。一方で、レスターにとっては有利に働くかもしれない。

 今季のサウサンプトンは両サイドバックが上がった後の裏のスペースを突かれてカウンターを受ける場面が散見される。センターバックのジョゼ・フォンテとフィルジル・ファン・ダイクもレスターの2人と同じく小回りの利かないタイプで、攻撃的なスタイルは諸刃の剣とも言える。

 強烈なカウンターを持ち味とするレスターの攻撃陣にも十分付け入る隙があるだろう。もちろんそれはリヤド・マハレズとマーク・オルブライトンの両サイドMFが相手サイドバックの圧力に負けず押し込まれなければの話だが…。両サイドの駆け引きが試合の流れを読む鍵になるだろう。

 さて、肝心の岡崎慎司と吉田麻也による日本人対決だが、こちらは残念ながら実現しない可能性が高い。両者ともチーム内で厳しい立場に立たされておりベンチスタートが濃厚だ。岡崎は後半途中から守備的にシフトする際、あるいは前へ出てリスクを冒す際のカードとして起用されるかもしれない。

レスター・シティの予想スタメン

 図はフットボールチャンネル編集部によるレスター・シティの予想スタメン。チャンピオンズリーグの試合から中4日のため、過密日程による疲労の影響はサウサンプトンよりも小さいだろう。先発メンバーは“いつも通り”になりそうだ。

 2トップはジェイミー・ヴァーディーとイスラム・スリマニが濃厚で、岡崎はベンチから出番をうかがう。加入後瞬く間に順応したアルジェリア代表FWは好調を維持しており、岡崎にとって高い壁となっている。

 メンバー以外での注目点はセットプレーの守備が改善されているか。前節はコーナーキックから3点を失った。実は昨季から守り方が変わっており、そのせいで相手に自由を許してしまっている。マンマークで守るのには変わりないが、昨季はボールが動く前から全員が相手に密着し、ホールディング気味に触れて自由を奪っていた。

 しかし今季は判定基準の厳格化などの影響もあってか、マークする際に相手選手に触れない。これによってボールが蹴られた一瞬目を離すと、相手が目の前から消え、自由にシュートを打たれてしまう。このポイントは試合を見るときに注目してほしい。

▼レスター・シティ予想スタメン
GK:カスパー・シュマイケル
DF:ダニー・シンプソン
DF:ロベルト・フート
DF:ウェズ・モーガン
DF:クリスティアン・フクス
MF:ダニー・ドリンクウォーター
MF:ダニエル・アマーティー
MF:リヤド・マハレズ
MF:マーク・オルブライトン
FW:イスラム・スリマニ
FW:ジェイミー・ヴァーディー

サウサンプトンの予想スタメン

 図はフットボールチャンネル編集部によるサウサンプトンの予想スタメン。ヨーロッパリーグから中2日で、体力的に厳しい戦いが予想される。木曜日のアポエル・ベア・シェバ戦はいくらかメンバーを落としてはいたが、疲労度はレスターよりも上だろう。

 メンバーは基本的にウェストハム戦を踏襲することが予想される。最前線は開幕から6試合ゴールのないシェイン・ロングではなく、前節と同じくチャーリー・オースティンが務める。その周囲をネイサン・レドモンドがサポートし、アシスト能力と得点力を兼ね備えた好調のドゥシャン・タディッチが2人を操る。

 注目の両サイドバックはともに攻撃的で、自由自在にピッチを駆け回る。ときにはストライカーの横から飛び出してゴールを狙うことも…。インサイドハーフはハードワーク型のスティーブン・デイビスと、バランス感覚に優れたピエール=エミル・ホイビェア。この2人も曲者だ。

▼レスター・シティ予想スタメン
GK:フレイザー・フォースター
DF:セドリック・ソアレス
DF:ジョゼ・フォンテ
DF:フィルジル・ファン・ダイク
DF:ライアン・バートランド
MF:オリオル・ロメウ
MF:ピエール=エミル・ホイビェア
MF:スティーブン・デイビス
MF:ドゥシャン・タディッチ
FW:チャーリー・オースティン
FW:ネイサン・レドモンド