現地時間9月30日にブンデスリーガ第6節の試合が行われドルトムントはレバークーゼンと対戦。トーマス・トゥヘル監督は“新システム”の実験を敢行したが、わずか15分の挑戦で頓挫した。日本代表MF香川真司は途中出場を果たすも時既に遅し。2-0の完敗でチームと香川は新たなスタートを切ることになっている。

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“新システム”を試したトゥヘル監督だったが…

 “勢い”が削がれた。

 2016年10月1日のブンデスリーガ第6節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでレバークーゼンと戦った。レバークーゼン戦をドルトムントは[4-1-4-1]でスタートする。香川真司はベンチスタートだった。

GK:ビュルキ
DF:ピシュチェク、ソクラティス、ギンター、ゲレイロ、
MF:バイグル
MF:プリシッチ、ローデ、カストロ、デンベレ
FW:オーバメヤン

 ドルトムントは攻撃時、つまりボールを持っている時には中盤がボックス型の[3-4-3]にスライドする。左SBのゲレイロがポジションを上げて、バイグルと2ボランチを組む。9月17日の第3節ダルムシュタット戦で71分から試された“新システム”だ。27日のチャンピオンズリーグ(CL)で、レアル・マドリー相手に2-2のドローに持ち込んだことで、監督トゥヘルにも余裕が生まれたのだろうか。試行錯誤の新布陣にトライした。

15分で実験終了も状況変わらず

 しかし[4-4-2]でブロックを作るレバークーゼンからすれば、トゥヘルの“新システム”は対応しやすいものだったと言えるだろう。カンプルとアラグイスの2ボランチ、チチャリートとメメディの2トップが、そのままドルトムントの中盤のボックスに対応する。よってビルドアップが上手く行かず、ドルトムントはシュートまで持っていくことができない。

 ドルトムントは苦戦しているうちにセットプレーから先制を許してしまう。10分、チャルハノールのCKからメメディにヘッドで叩き込まれ、0-1とビハインドを負った。

 するとトゥヘルは15分過ぎに布陣を[4-1-4-1]に戻す。試合後に同指揮官が「我々にはフィジカル面とメンタル面で疲労があった」と振り返ったように、CLの疲れもあったかもしれない。しかし、コンディションの問題以上にレバークーゼンとは戦術的相性が悪かった。“新システム”の実験は、わずか15分で終わる。

 布陣は変わった。にも関わらず、状況は改善されなかった。ローデとカストロには、引き続きカンプルとアラグイスが対応する。ブロックの中にドルトムントはボールを入れることができない。両インサイドハーフが抑えられ、抜本的には何も変わらなかった。

 20分にはピシュチェクのパスを受けたオーバメヤンが、GKレノとの1対1を迎え、51分にはローデのパスにオーバメヤンが抜け出して、何度かシュートまで持っていく場面も見られたが、単発な攻撃に終始する。ドルトムントはボールを奪うことはできたが、奪ってからの連動や連携に欠けた。

香川投入も時既に遅し

 香川真司が投入されたのは、そんな状況が続いた71分のことである。香川はローデに代わってインサイドハーフに入る。投入直後から香川は、積極的に味方に指示を出し、精力的に動いた。自陣の深くまで守備に戻り、攻撃時にはエリア内に飛び込む。香川が入ってから、チームは落ち着きを取り戻し、ボールも繋がっていくようになった。

 しかし、レバークーゼンのどっしりとしたブロックを崩すことはできない。79分にはカウンターから、チャルハノールに左サイドを崩されて、折り返しをチチャリートに決められ0-2。結局これが決勝点となり、ドルトムントは連戦の最後を勝利で締めくくることはできなかった。

 香川にとっては、ダルムシュタット戦以来、3試合ぶりの出場となった。しかし、ゲッツェがベンチスタートになり、ゲレイロは左SBで先発したにも関わらず、右インサイドハーフで先発したのはローデだった。出場のチャンスが与えられたように、トゥヘルの構想外となった訳ではないが、状況は依然として楽観視はできない。もっとも、レバークーゼン戦で出番のなかったゲッツェに、これまでのところ目立った活躍はなく、もはや序列を覆す可能性がないとも言い切れない。

 レバークーゼンに敗れたことで代表ウィークを挟み、ドルトムントも香川も再び新たなスタートを切ることになりそうだ。

【了】