ミランは現地時間2日、セリエA第7節でサッスオーロと対戦する。サイドの選手が駒不足となっているチームで、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はある準備を進めてきたようだ。それは、本田圭佑を左サイドで出場させるというものである。これまで本田が出場した時は右サイドでのプレーが多かったが、新たな可能性を開拓することになるのだろうか。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

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本田、左サイドでプレーする可能性?

「日程が離れているため、ターンオーバー制の必要はない。選手に疲労が溜まっているわけでもない」

 1日、ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は記者会見の中で、2日のサッスオーロ戦では特にメンバーを入れ替えない意向を示した。ただし、若干の不確定要素はあるという。4-3-3の左ウイングには、エムバイエ・ニアンではなくルイス・アドリアーノを先発させる可能性があるというのだ。

 出場停止となったウディネーゼ戦以来、開幕から不動のポジションを得ていたニアンだったが、この2試合の出来は決して芳しいものではなかった。PKを決めたラツィオ戦でもミスは多かったし、フィオレンティーナ戦でも然りだった。監督の評価は非常に高く、立場は簡単には揺るがないとはいえ、90分間でパフォーマンスが安定しないというウイークポイントも露呈した。

 そこで今週の練習では、ルイス・アドリアーノが左のウイングとして試されていたということが報道で明らかになっている。しかしモンテッラ監督は、左でテストさせていたのはルイス・アドリアーノだけではなかったことも明かした。それはつまり、本田圭佑だ。

「スソとポジションを争っている選手だが、別の選択肢を考えている。4-3-3の場合でも4-4-2の場合でも右アウトサイドとしてプレーできる選手。ただ左もできないものかと、現在練習を進めている」

 ウイングプレーヤーとして本田を出す意義は、攻守両面で埋めつつボールに触ってポゼッションに参与することである。右として出来ていたこのプレーを左でも出来ないか、というのがモンテッラ監督の意図のようだ。

右サイドに限定されていた起用法が拡大

 実際今のミランには、こういう仕事のできる人間が左にも不足している。試合中の戦術変更に当たってジャコモ・ボナベントゥーラを前にスライドするだけではやはり駒が足りず、前節は終盤に本来は左SBであるルカ・アントネッリが投入されている。本田ではなかったのは、練習でやっていないことはしなかったという意味なのだろう。

 もっともこれをこなせたからといっても、即スタメンの奪取につながることはないだろうし、せいぜい途中出場選手としての使い勝手を広げる、という意味ぐらいにしかならないかもしれない。ただ、右サイドに限定されていた起用法が広がるということなら、試合に使われる選択肢が増えるということを意味する。

 早速そのチャンスが、サッスオーロ戦の途中交代という形で実現すれば良いのだが。ミランは近年サッスオーロのいい“お客さん”とされており、モンテッラ監督自身もあまり星勘定は良くない。

 相手にはUEFAヨーロッパリーグの疲労が残っているが、攻撃的で厳しいチームということには変わりはない。バランスを保つ意識が重要となる中、本田はそんな面での信頼を勝ち取り、さらなるチャンスを広げることができるかどうかに注目したい。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】