スペイン紙『アス』は13日、リーガ・エスパニョーラのラス・パルマスが鹿島アントラーズの日本代表MF柴崎岳に興味を示していると報じた。

 昨年12月のFIFAクラブW杯でレアル・マドリー相手に2ゴールを挙げた司令塔の市場価値は高騰しており、選手データベースサイト『transfermarkt』では獲得に必要な移籍金の目安が200万ユーロ(2億4000万円)と推定されている。ただし現時点では鹿島との契約延長にサインしていないためどのクラブもフリーで獲得できる。

 では、ラス・パルマスとはどんなクラブなのか。本拠地はスペイン・カナリア諸島のラス・パルマス・デ・グラン・カナリアに置かれている。だがスペイン領とはいえ、カナリア諸島はアフリカ大陸西岸のモロッコ沖にあるため、自分たちにとっても相手チームにとっても試合のための移動が過酷なことで知られている。

 昨季15年ぶりに1部の舞台へ帰ってきた地方の小さなクラブで、2部時代の2007年から2008年にかけて福田健二が在籍していたこともある。柴崎の加入が実現すれば、クラブ史上2人目の日本人選手となる。

 現在のラス・パルマスはリーグ屈指の完成度を誇ると言われており、キケ・セティエン監督が掲げる戦術の浸透度が非常に高い。昨季途中に就任した指揮官は残留が目標だったチームを11位まで引き上げ、今季も17節を終えて8位と好位置につけている。

 柴崎がポジション争いをするであろう中盤は特に充実しており、チームの核になっている。ボランチの位置で攻撃の舵取りを担うロケ・メサは前半戦のリーグMVPにも推されるほどのパフォーマンスを見せ、長短の正確なパスを駆使しながら司令塔としての役割を完ぺきにこなす。

 2列目ではかつてミランで“10番”を背負ったケビン=プリンス・ボアテングが復活。怪我がちではあるものの、チーム最多の5得点と気を吐いている。トップ下のジョナタン・ビエラはバレンシア時代から将来を嘱望された元有望株で、27歳となった今季はキャリアハイとも言える活躍で攻撃をけん引する。
 
 サイドで躍動するタナやナビル・エル・ザハルらの貢献度も見逃せず、2列目のアタッカー陣が密集をかきわけながら細かいパス交換で相手の守備を華麗に崩す様は一見の価値がある。年明けにはスペイン国王杯でアトレティコ・マドリーに逆転勝ちを収める(2戦合計スコアで及ばず敗退)など攻撃にいっそう磨きがかかっている。

 ここまでに挙げた選手たちの多くは、昨季の活躍を見たより大きなクラブからオファーを受けていながら必死の慰留に応じて残留を決断している。それだけに今季へ懸ける思いは強く、チームは日々洗練された組織へと進化している。

 言葉も文化も日本とは違う環境に、初の海外挑戦となる柴崎が飛び込んですぐに結果を残すのは難しいかもしれない。だが、主力の退団が予想される半年後の本格的な活躍を見据えた移籍であれば検討する価値はありそうだ。