米国では大統領選に向け、共和・民主両党の戦いが本格化している。職場では政治の話などするものではないと思いたいかもしれないが、実際には社内のどのフロアでも、席を離れればこの話題で持ち切りのはずだ。

インターネット上でも現実の社会でも、多くの人を集めるときには政治と宗教の話に細心の注意を払う必要があるといわれている。どちらの問題についても、それぞれの人の考え方はかなり凝り固まっていて、議論しようとすれば、ほぼ口論や仲違いに終わるからだ。

職場で政治を話題にするのは賢明とは言えないかも知れない。だが、たいていの人は保守とリベラル、どちらか寄りのはずだ。あなたの上司は、共和党と民主党どちらの支持者だろうか?そして、上司がどちらを支持しているかは、あなたにとってどのような意味を持つのだろうか?

「報酬」の考え方に表れる政治的指向

いくつかの調査結果によると、上司の支持政党は、従業員にとって非常に大きな意味を持つことが分かっている。例えばミシガン大学は今年初め、男女平等をはじめとする職場の問題に関する考え方に、政治的信条がどう影響しているかを調べた。

調査結果をまとめた研究者らは、「一般に、女性は男性よりも昇進する可能性が低く、退職する可能性はより高い。これは、上司がリベラルである場合よりも保守的である場合に多くみられる傾向だ」と指摘している──興味深い調査結果だ。ひょっとすると、同じような違いは最高経営責任者(CEO)に支払われる報酬の条件や額にも表れているのだろうか?

ノートルダム大学は先ごろ、この点に注目して調査を行った。研究者たちは企業の献金に関するデータに基づき、S&P1500指数構成企業の取締役会をリベラルと保守に分類した上で、各社が1998〜2013年までの15年間にCEOに支払った年俸を比較。次のような仮説を立てた。

「取締役たちは役員報酬について、その政治的な指向によって見解が異なる。そして、それはCEOに支払われる報酬の額と、業績に応じた報酬が与えられるべきか否かに関する考え方に表れる」というのだ。

「われわれは、取締役会が保守かリベラルかによって、CEOの地位をどれだけ重視するかという点に違いがあるとみている。過去の調査から分かっているように、概して保守派は状況的な要因よりも、個人的な要因が結果に強い影響を及ぼすと捉える傾向がある。そのため保守寄りの取締役会は、会社の成功にとってはよりCEOが重要であり、より高額の報酬を支払う必要があると考える」と研究者たちは説明する。

この仮説は、データによって証明されている。保守寄りの取締役会は実際に、リベラル寄りの取締役会よりもCEOに高い報酬を支払っているのだ。これは主に、保守派がCEOの役割を重視していることによるものだといえる。

もちろん、こうした調査結果が示すのは全体的な傾向だ。そのため、あなたの勤務先の取締役会が、これらの結果の通りに行動するというわけではない。だが、大統領選を前に、考えてみるのも面白い問題ではないだろうか。

Adi Gaskell