フェイスブックの共同創業者であるダスティン・モスコビッツは、「世界中のあらゆる組織の生産性を5%高める」という目標を掲げて2008年にAsanaを創業した。

それから8年が経ち、Asanaはプロジェクト管理ツールの分野でトップクラスのシェアを獲得。現在の顧客数は140,000社(このうち13,000社が有料サービスを利用)にのぼり、毎月10,000社の新規顧客を獲得している。最近ではAirbnb、Dropbox、ピンタレスト、ウーバー、アバクロンビー&フィッチといった大企業の顧客も増え、競合のWrike、Basecamp、Smartsheetとの差を広げている。

Asanaを導入した企業では、生産性が平均45%向上しており、過去6か月で社員数1,000人規模の顧客企業の数が倍増している。投資家の多くは、Asanaの共同創業者が初期のフェイスブックを支えた大物コンビであり、3月には評価額6億ドルで5,000万ドルを調達していることなどから、Asanaが今後成長をさらに加速させることを期待している。

業績の全てをトラッキング可能に

ローゼンスタイン自身も「壮大な野望」の実現に向けて続々と新サービスをリリースすることを明らかにしており、9月15日に第一弾となる「カスタムフィールド機能」の提供を開始した。

カスタムフィールド機能は、有料のプレミアム顧客向けに提供される。カスタムフィールド機能を使うことで外部から様々なデータを取り込み、スプレッドシートにカラムを挿入するようにダッシュボード上に表示することができるようになる。データは検索することができ、ワークフローの分類がこれまでになく柔軟になる。

発表イベントでは、ベンチャーキャピタル(VC)を顧客に想定したデモが実演された。投資先企業を資金調達ラウンドやディールのステージに応じて分類したり、CEOの名前や投資チームのメモなどの情報を追加でき、ディールフローをより効果的に管理できる。「Asanaを使うことで作業を格段に効率化することができる」とローゼンスタインは述べた。

ベータテスト段階から使用しているCBSインタラクティブでは、タスクの収益性を精査し、より大きな売上が期待できるものを広告商品チームに引き渡す上でAsanaを活用している。また、Autodeskでは、オウンドメディアの編集チームがAsanaを使って、多岐に渡るコンテンツの制作を行っている。

Asanaが掲げる「Track Anything(全てを追跡可能にする)」とは、顧客がAsanaのプラットフォームをベースにして自前のソフトウェアを簡単に構築し、一つのインターフェースであらゆるタスクを管理できるようにすることだ。カスタムフィールド機能はその一つの機能に過ぎない。例えば、人事部が採用プロジェクトの管理を行う場合、Asanaのダッシュボード上に新たなボタンを追加して、個々の候補者と面接を設定することができる。

Asanaが「Track Anything」を実現するとサービス領域が拡大し、タスク管理ツールの「Trello」やCRM大手のセールスフォース、GitHubとも競合する可能性が高い。

Asanaが今後重点を置くターゲットは、同社が「ロングテール」と呼ぶ企業たちだ。従来は見落とされてきた分野や、遺伝子研究を行うバイオテック企業のように、分野があまりに専門的なために、既存のソフトウェアではUIの使い勝手が悪いといったケースがこれに含まれる。

「我々はセールスフォースに取って代わるつもりはないが、多くの企業にとってセールスフォースのCRM機能は過剰なため、ユーザビリティの高いAsanaに対するニーズは高い」とローゼンスタインは話す。

「ダスティンと僕は、タスクやプロジェクト管理以外にもあらゆる情報をトラッキングできるサービスの提供を会社の設立当初から目指してきた。カスタムフィールド機能のリリースは、Track Anythingという壮大な目標を実現する上で重要な一歩だ」とローゼンスタインは述べている。

Alex Konrad