メッセージングサービスをアプリストアと同じぐらい利益を生むプラットフォームにすべく、アップルが新たな動きを始動した。iOS 10で利用可能なアプリ「メッセージ」がサードパーティーの開発者に公開され、ステッカーや絵文字、チャット内で利用できる旅行検索エンジンKayakや出前サービス DoorDash、乗換案内のCitymapperなどのアプリもダウンロードできるようになった。

フェイスブックの「メッセンジャー」にはアプリストアはないが、チャットボットを利用した顧客とコミュニケーションがある。フェイスブックやアップルは中国で大人気のWeChatの成功に習おうとしている。チャットアプリWeChatには配車サービスや食料品や航空券を購入できるサービスも存在し、ウェブへの入り口のような存在となっている。

だがフェイスブックとアップルが直面する問題の1つが、新興国でチャットアプリ上のスパムが横行する中、新サービスの長所をいかにアピールするかということだ。

チャットアプリ利用者の4分の1以上とSMS利用者の28%以上が毎日スパムを受け取っている。そのおよそ3分の1が、リンクをクリックさせてウィルスに感染させるフィッシングメッセージだ。

この調査はデバイスメーカーや電話会社などが加盟するモバイル業界団体Mobile Ecosystem Forum(MEF)が実施し、9か国の6,000人を対象に行われた。MEFによると、フィッシング詐欺による企業やユーザーの損失額は年間20億ドル(約2,035億円)だが、そのうち6億8,000万ドル(約692億円)がSMS上のフィッシング詐欺だという。

スパムは欧米のユーザーにとっては単に煩わしいだけのものだが、ブラジルや中国、南アフリカ、ナイジェリアなどの新興国では深刻な問題だ。ナイジェリア人でこれまで一度もスパムを受け取ったことがない人は全体のわずか6%にとどまる。

メッセージングプラットフォームを普及させたいフェイスブックとアップルにとって問題となるのが、メッセージのスパムがビジネスとして根付いてしまっている新興国において、いかに信頼性をアピールしていくかだ。

「企業から消費者へのメッセージングサービスは極めて重要なツールになりえますが、それは消費者が受け取るメッセージを信頼していることが前提です」とスウェーデンのクラウド通信サービスCLX CommunicationsのRobert Gertsmannは語る。

MEFの調査によると、平均的に最もスパムが多いのがSMSだが、一方では35%が信頼していると答え、最も信頼度が高いメッセージングサービスとなっている。ワッツアップなどのアプリを信頼すると答えた人はおよそ28%だった。

スパムは特にフェイスブックにとってセンシティブな問題だ。同社は2016年に入って「メッセンジャー」にチャットボットを導入したが、そこでも既にスパム被害が発生しつつある。

Parmy Olson