パキスタンの富裕層は、投資や浪費をする際、同国の大都市カラチよりもロンドンやニューヨーク、ドバイを好むらしい。

国連開発計画(UNDP)の元パキスタン事務所長であるマーク・アンドレ・フランシェが、そう指摘している。

「ビジネスをするにあたって、安価で教養のない労働力を活用するエリート層はいない。また彼らは、どんちゃん騒ぎをするならロンドンだし、買い物をするならドバイを選ぶ。不動産に投資するなら、ドバイかヨーロッパ、ニューヨークだ」と、フランシェは8月、パキスタンの金融紙ビジネスリコーダー(Business Recorder)とのインタビューで語った。

フランシェの発言は、パキスタンの株式市場が反発し、隣国のインドや中国に比べてかなり好調な中で行われたものだ。

パキスタンのエリート層に公平を期すために指摘しておくと、同国のように汚職がまん延している国に投資を行うのは、ほぼ不可能だ。パキスタンは世界汚職指数ランキングで117位と、隣国インド(76位)よりもずっと下位につけている。

とはいえ、パキスタンのエリート層の自国経済に対する姿勢は、深刻な問題を提起するものだ。このところ好調な株式相場は持続できるのか。パキスタンの富裕層が自らの資金を海外に投じているなか、パキスタンに投資や公的援助を行っている諸外国の判断は賢明なものなのか―。

長年フロンティア市場に注目してきた投資家たちは、過去にもナイジェリア、ペルーやコロンビアで同じ展開を目にしてきている。過去に何度か(新興国市場から)フロンティア市場に格下げされているアルゼンチン、それにフィリピンやメキシコなどの国も、おそらく同類だろうと筆者は考える。

Panos Mourdoukoutas