史上初めて、欧米主要国の大半を女性が率いるという状況が生まれるかもしれない。これは注視すべき、素晴らしいことだ。だが、それは必ずしも、米国の大統領候補ヒラリー・クリントンとドイツのアンゲラ・メルケル首相、英国のテリーザ・メイ首相が、女性のキャリア推進を積極的に支援するということを意味するわけではない。

バラク・オバマが米国史上初の黒人大統領に就任した時、黒人の地位向上につながるだろうと多くの人たちが考えた。残念なことに、米国では黒人の失業率は依然として高いままで、貧困率はむしろ悪化。黒人世帯と白人世帯との所得格差は、過去25年で最大となっている。そして、これまでに相次ぎ発生している事件からも分かるように、警官による黒人男性の射殺事件を巡る市民の不安は恐ろしいほどに高まり、暴力事件も同様に増加している。

一人の人間が全ての人に変化を約束することは不可能だ。政治やビジネスの世界で指導者の役割を担う女性が増えても、女性たちはここで自己満足に陥ることはできない。リーダーが女性だからといって、あなたが自分のキャリアと生活に対して負う責任から解放されるわけではなく、あなたのキャリアの向上は、あなた自身にかかっている。キャリアアップを実現するには主に、次の3つの方法がある。

1. 流れに乗る

キャリアアップのために行動すべき時があるとすれば、それは今だ。ここ数年、女性がリーダーシップを取ることへの関心はますます高まっており、リーダーたちの存在感も増している。こうした流れをうまく利用して行動を進め、前向きに目標に向かって取り組もう。

障害を乗り越え、前進するために行動を起こす女性はかつてないほどに増えている。元キャスターのグレッチェン・カールソンはセクシャルハラスメントでFOXニュースを訴えると共に、同社が自分との契約を更新しなかったのは、女性に対する不公平な待遇に抗議したためだ主張した。また、女優のジェニファー・ローレンスは男性の共演者よりも映画出演料が少ないことに苦言を呈する公開書簡を発表し、ハリウッドの男女格差の問題にスポットライトを当てた。

男女不平等と女性のリーダーシップに今のような注目が集まっていなければ、彼女たちが不当な扱いに対してこれほど大きな怒りの声をあげることはなかっただろう。また、メディアがこれほど大々的に報じることもなかっただろう。

自分に与えられるべきと考えるもの、不当と思える処遇についてはっきりとそう主張しよう。今なら社会は、それらに耳を傾けるはずだ。

2. 人と関わる

政治のトップに立つ女性たちがあなたのキャリアアップを助けてくれることはないかもしれないが、助けてくれるものがないわけではない。個人による、あるいは組織によるさまざまな活動が、あなたが目標にたどり着く手助けをしてくれる。フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)が設立した財団「リーン・イン(Lean In)」は、女性の成功には支援が必要であることを認識しており、実際に支援のための活動を行っている。

その他にも、働く女性のグローバルなネットワーク「エレベ―ト(Ellevate)」 や「レボ・リーグ(Levo League)」、取締役会の女性比率を引き上げることを目標に掲げる「30%クラブ(30% Club)」、男女平等の実現に取り組む米国の男性のコミュニティー「メン・アドボケーティング・リアル・チェンジ(Men Advocating Real Change、MARC)」などが、女性の活躍を後押ししている。デロイトやEY、ジョンソン・エンド・ジョンソン、PwC、ウォルマートなど、企業が主導する取り組みもある。米国女性ビジネス協議会(NWBC)も今年7月、女性起業家を支援するプラットフォーム「グロウ・ハー・ビジネス(Grow Her Business)」を発足させた。

自分が参加したい活動やグループを見つけ、連絡を取り、積極的に参加してみよう。人と関わり合うことで、キャリアの向上に役立つ人脈を築くことができるだろう。

3. 自分の信念を貫く

人には誰でも、それぞれの目標がある。自分以外の人が自分と同じ目標と持ったり、あなたの達成を助けてくれたりするとは期待しないことだ。

昇進や昇給、外国で働くこと、転職すること、あるいは本を出版するなど、目標が何であれ、達成に向けて集中力を切らすことなく懸命に努力を続けよう。あなたの最大の支援者はあなた自身であり、あなたの目標の実現に、あなた以上にふさわしい人はいない。

キャリアに関する目標がまだ定まらない人は、今こそそれを決める時だ。自分の好き嫌いや才能について、これから得るべき情報やスキルや尊敬する人物について、5年、10年後の自分として思い描く姿や、希望する収入などについて考えてみよう。プランを立てることで、キャリアと人生の充実に向け、動き出すことができる。前に進み、目指す場所にたどり着けるかはあなた次第だ。

Avery Blank