「自動運転」の概念は様々な分野に広がりつつある。運河が多いアムステルダムでは自動運転ボートが間もなく登場するという。しかし、「自動運転イス」というのは筆者にとって全く聞き覚えの無いアイデアだ。

日本の自動車メーカー日産は、自動で行列を作って進むイス「プロパイロットチェア(ProPILOT CHAIR)」のデモ動画をYouTubeで公開した。このイスは”自動運転”という表現が適切かどうかは微妙だが、日産「セレナ」に搭載された車間距離測定技術を応用し、前のイスと適切な距離を保ちつつ自動で進んでいく。

日産はこのイスが、レストランでの行列待ちなどで活用されることを想定。実際に導入希望店舗を募集しており、12月27日までにSNSで#NissanProPilotChair #Wanted とのハッシュタグをつけて投稿するよう呼びかけている。

また、別の利用ケースとしては、美術館などで歩くのが面倒な顧客向けに「座ったまま動ける椅子」としての活用も想定している。日産は今回の発表をユーモラスなGIF画像を添えて行ない様々な反響を呼んでいるが、多くの日本メディアは「微妙に笑える発明」として取り上げている。

しかし、海外の視点から見ると、これはかなり奇妙なアイデアに思える。この製品が受け入れられるのは、恐らく日本のような特殊なマーケットのみだろう。

フォーブス読者の多くは知らないかもしれないが、日本人の多くはクリスマスイヴにケンタッキーフライドチキンの店の前に長い行列を作り、クリスマスを祝うのだ。日産の自動運転イスは、このようなシチュエーションにはもってこいなのかもしれない。

Federico Guerrini