確かにサッカーでは競うことができるかもしれない。だが、国際市場における競争力の点では、ブラジルはいくつかの小国をも下回る状況だ。税制でも労働力でも、物流の面でも──。

世界経済フォーラム(WEF)は9月27日、138か国・地域を対象とした2016年の競争力ランキングを発表した。その報告書によると、かつて中南米の雄と呼ばれた一次産品の豊富なブラジルは、その順位を81位に下げた。ブラジルの競争力を低下させている最大の問題点は、汚職と政府、労働力と税制だ。

さらに、ブラジルの物価は常軌を逸した高さだ。ニューヨーク〜独ベルリン間の航空券は約750ドル(約7万6,200円)だが、サンパウロからこれら2都市の間と同じ距離を空の便で移動しようとすれば、少なくとも1,200ドル(約12万1,900円)がかかる。

ブラジルは不景気だ。市場は来年には回復傾向に向かい始めるとの見方を示しているが、成長率は良くても1%程度と予想されている。

ブラジルの国内総生産(GDP)は、過去2年間で約7%減少。複数の外部要因と、大規模な汚職スキャンダルの醜悪な取り合わせのおかげだ。一連の汚職スキャンダルで、ブラジル国内ではサンパウロの地下鉄駅の一部や、国営石油会社ペトロブラスの製油所が建設中止に追い込まれた。公共事業計画の中止は、何万人もの労働者から職を奪った。

また、世界銀行によるとブラジル経済の年平均成長率は2006〜10年が4.5%、2011〜14年が2.1%だった。だが、過去2年はマイナス成長を記録している。

ブラジルの「スコアカード」

WEFが示す国際競争力のランキングは、いくつかの項目に関する評価を総合的に判断した上で割り出されるものだ。ブラジルは主要3項目のいずれにおいても、評価が下落傾向にある。

1. 基本要件

WEFが示す競争力ある経済のためには、「政府機関、インフラ、マクロ経済、医療制度、初等・中等教育」などの基本要件が満たされていることが必要だ。この項目でのブラジルの順位は103位。

2. 効率性

この項目は、教育水準や職業訓練、労働市場、法律、金融市場の規模、テクノロジーへの精通、国内市場の規模などについて評価される。ブラジルは61位。

3. イノベーションと洗練性

国としてのビジネスに関する識見と、企業のイノベーション能力をみる項目。ブラジルは72位だった。

Kenneth Rapoza