テスラは10月2日、今年第3四半期の出荷台数を発表。同社の7〜9月期の出荷台数が四半期あたり過去最高の2万4,500台に達し、前年同期から2倍以上の伸びとなったと発表した。5月の死亡事故の発生以来、苦難が相次いだ同社に明るい光が差した形だ。

第3四半期にテスラは約1万5,800台のセダン「モデルS」と、8,700台のSUV「モデルX」を出荷した。テスラは今年下半期に5万台の出荷を目標に掲げている。製造台数で見ると今期は2万5,185台を製造。前年同期は1万3,091台だった。

今回の発表の直前、イーロン・マスクは社内向けメモで「今期は黒字化達成のため、出荷台数の最大化に全力を注ぎ、コストを低減に務める」よう要請した。テスラ社内では一部地域で同社の「値引き無しでの販売」の公約が破られていたことが問題化しており、マスクはこの事態を認めた後「これは一部の地域で行なわれていたことだが、ゼロにしなければならない」と社員らに訴えた。

テスラは今年9万台の出荷を目標とし、各車両の販売額はオプション装備料も含め10万ドルを見込んでいる。

3月末に発表した新型EVセダン「モデル3」の予約台数の好調を受け、テスラは2018年末までに、年間生産台数50万台達成を目標に掲げている。増産に向けてカリフォルニア州フリーモントの工場には莫大な投資が必要で、早期の収益改善は同社の必達課題だ。

一方、ネバダ州には数十億ドルを投じた巨大バッテリー工場「ギガファクトリー」の建設を進めている。さらにこの先には太陽光発電パネルを手がける「ソーラーシティー」社の26億ドルでの買収を控えている。株式交換での買収に向けた株主投票も迫っている。

テスラは財政面で新たな資金調達の必要にもさらされている。8月31日、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると同社は第3四半期の末に、債権者らに4億2,200万ドルの支払いを控えていることが明らかになっていた。

テスラは上場以来、現在まで黒字を達成したのは1期のみとなっている。イーロン・マスクは8月29日の社内向けメモで従業員らにこう述べている。

「単純な話、『テスラが大方の予想を打ち破り、黒字化を達成した』というニュースが流れれば、投資家たちの心理は劇的に改善するだろう」

今期の記録的出荷台数を受けて、同社が2度目の黒字決算を提出できるかどうかは、今後数週間のうちには明らかになる予定だ。

Alan Ohnsman