アクティブラーニング社とフォーブス ジャパン共催のインターンシップ・プログラム「Nexgen」がリクルートホールディングス協力のもと実現。ビジネス界の次世代を担う、海外有名校の学生と日本のスタートアップの化学反応に注目が集まった。

優秀な人材を確保するために海外に目を向けることは必須だが、そこには壁がある。国内の学生の目が海外企業に向く一方で、海外の学生にとって日本の企業は「閉鎖的で決断が遅い」というイメージが根強く、人気が低いのだ。

そんななか優秀な学生に日本企業の魅力を知ってもらい、ミスマッチをなくしたいというアクティブラーニング社とフォーブス ジャパン共通の想いで開かれたのが、海外の大学生を日本のスタートアップのインターンシップに参加させる短期プログラム「Nexgen」だ。

参加したのは、ハーバード大学、ブラウン大学、ペンシルバニア大学、デリー大学など海外の有名校および慶應義塾大学の学生、総勢6名。インターン先には、LINE元代表取締役の森川亮率いるC CHANNEL、IoTやビッグデータの商用利用に取り組むABEJA、デジタルマーケティング分野において海外での業務基盤拡大を含め急伸中のアイレップ、オープンコラボレーションを通じて多岐分野のデザインを手がけるロフトワークの4社が名乗りを上げた。

学生は、インターン先でビジネスモデルを学びつつ、具体的な課題解決に取り組む。最終日の7日15日には、同プログラムのパートナーであるリクルート社内にて、日本の学生をはじめとしたオーディエンスを前に、コンテスト形式の発表が行われた。

「日本には面白い事業を行っているスタートアップがたくさんある。そこにネクスト・ジェネレーションの学生を送り込めば、参加するほうも受け入れるほうも面白い」

冒頭の挨拶で、本プログラムを率いるアクティブラーニング代表取締役社長の羽根拓也は述べた。プログラムの名称であるNexgenは、「次世代」を意味するnextgenerationを由来とする。

前半のハイライトは、2015年に発足したリクルート社の人工知能研究所RecruitInstitute of Technologyの研究員ビビアン・リーによるワークショップ。シリコンバレーに拠点を置く同研究所では、同社の主幹であるマッチングサービスへの人工知能の活用法を研究している。「幸せを科学する」というテーマのプレゼンテーションのあとには、オーディエンス参加型のグループワークが行われた。

後半では、学生がインターン先のCEOから与えられた課題へのソリューションを発表した。ABEJA代表取締役社長CEO岡田陽介、アイレップ代表取締役CEO紺野俊介、Recruit Institute of Technology推進室室長石山 洸、そして本誌編集長高野 真の4人が審査員を務めた。

優秀賞に輝いたのは、デリー大学で経済学を専攻する学生と、ペンシルベニア大で経済学を専攻予定の学生のペア。C CHANNEL海外事業開発部でのインターンを経て、動画サービスのアジア進出に向けたマーケティング戦略を発表した。ローカルのメディア市場の特色を押さえた具体策が評価された。

印象的だったのは、学生3組のうち2組がディープラーニングを活用しての課題解決法を提示したということだ。「2011年ごろに事業を始めた当時は、ディープラーニングがどのようなものなのかまったく理解されていなかった」と、岡田は学生らの感度の高さを評価した。

また、紺野は、「社会課題に対するテクノロジーの活用法が考えられていたこと、そしてグローバリゼーションの裏返しとしてのローカリゼーションに目が向けられていたことにネクスト・ジェネレーション感があった」と、次世代としての今後に期待を示した。ビデオメッセージで参加した森川からは「世界でいろいろな変化が起こるなかで、いちばんのリスクはチャレンジをしないこと」とエールが届いた。

プログラムを経て、海外学生の日本企業への印象も変わった。「日本の企業は保守的・官僚的で決断が遅いというイメージを持っていたが、C CHANNELのフラットな組織では、インターンの意見も平等に取り上げられた」と、受賞者の学生は振り返る。日本のストリートカルチャーの海外発信という課題に挑んだハーバード大2年生は、次世代の企業の最前線でどのような変化が起こっているのかを見てみたいという想いでプログラムに参加したが、速いペースで物事が進む環境に刺激を受けたそうだ。

Nexgenは、来年からアジアの他の地域への進出を視野に入れている。「一緒にアジアに行きたいという方はぜひ声をかけてください」と羽根が締めくくり、プログラムは盛況のうちに幕を閉じた。

パートナー企業からのコメント

シンギュラリティの到来が人類への脅威という文脈で語られることの多い人工知能。その人工知能を活用して人の幸せを追求するという先進的かつ探究的なテーマをリクルートが主導してグローバルに問いかけるような場はかつてなかったように思う。

「自ら機会をつくり、機会によって自らを変えよ」。答えのない問いを投げかけ、議論を尽くし、相互理解を深めるムーブメントを起こし、グローバルでも自己変革し続けることができる組織でありたい。

岡本彰彦◎リクルートホールディングス執行役員。2007年リクルート入社。全社ウェブ戦略室投資アライアンスユニットユニット長、R&D戦略室投資開発ユニットエグゼクティブマネジャー、リクルートホールディングスR&D戦略室 室長を経て2014年4月よりリクルートテクノロジーインスティテュートHead of Institute。

Forbes JAPAN 編集部