米国務省は上院外交委員会の小委員会で、核兵器開発を進める北朝鮮の海外支援者らを、本格的に調査する方針を示した。疑念の行き先は北朝鮮の核実験を非難も擁護もしない中国に向かっている。北朝鮮政府は先月、弾道ミサイル実験を行い、日米を激怒させた。

米国務省のダニエル・フリード調整官は9月28日、「北朝鮮の核開発にかかわっている疑いがある中国企業を、厳しく監視していく」と述べた。その2日前には、米金融機関を通じ北朝鮮への軍事支援を行っていることが疑われるとして、中国国籍の4人と中国・丹東の産業設備販売会社、鴻祥実業発展有限公司が米国の制裁対象に指定され、マネーロンダリングの罪に問われた。

しかし、中国と北朝鮮は親友であり、制裁を行っても固い友情はぐらつかないだろう。米政府は今後、中国と北朝鮮の国境付近に集中していると思われる中国企業の摘発を強化するかもしれない。しかし、それらの企業は中国経済にとって取るに足りない存在で、中国政府の行動を変えることは難しい。

中国は韓国のような西側諸国に対する地理的緩衝材として、北朝鮮と良好な関係を保ち、影響下に置き続けることを望んでいる。すでに貧困状態にある北朝鮮経済のさらなる悪化は、北朝鮮のレジームを変え、中国との国境に難民が押し寄せることになるかもしれない。

中国が抱えるジレンマ

米シンクタンク戦略国際問題研究のスコット・ケネディは「中国は北朝鮮に圧力を加えることで、武力衝突や北朝鮮の経済崩壊を招くことを恐れている。中国にとっては、これらを避けることが最優先だ」と分析した。

一方で、海外貿易への依存度が高まっている中国は、日本や韓国、欧米から「責任ある国家」とみなされたい思いもある。中立的な立場を強調するため、北朝鮮問題を討議した2005年の六か国協議では仲介役として積極的に動き、2013年の北朝鮮の核実験後には、北朝鮮の大使を呼び出し、エネルギー支援を減らして貿易制裁を行った。

米超党派組織、外交問題評議会によると、中国はそれでもなお、北朝鮮にとって「最重要同盟国、最大の貿易国、食糧・武器・エネルギーの主要調達先」である。

ハワイのシンクタンク、イースト・ウエスト・センターのチャールズ・モリソン所長は、「米国は制裁を徐々に強め、北朝鮮を支援する中国企業をも制裁対象に入れた。しかし、それでも北朝鮮の態度は変わらないだろう。中国の決断なしに、すべての取引を止めることはほとんど不可能だ」と指摘した。

Ralph Jennings