中国人のスマホ所有率は2011年にわずか16.6%だったが、今年は45.5%まで拡大した。つまり5億6,000万人がスマホを所有している計算になる。しかし今後、普及のペースは減速し、2年間で5%増にとどまる見通しだ。中国のスマホマーケットは飽和に近づいており、メーカーはかつてのように出荷量を増やせなくなるだろう。

一方で、12億5,000万人の人口を抱えるブルーオーシャンがインド市場だ。ここにシャオミ(小米)、ファーウェイ(華為)、そしてOppoのような中国メーカーらは大きな商機を見出している。

インドのスマホ普及率は現時点で約16%だが、2年後には21.5%に増えると予測され、早ければ来年にも米国を抜いて中国に次ぐ世界第2のスマホ市場になると見込まれる。

特に、最近台頭してきた中国のスマホメーカーは、インドに熱い視線を送る。米国や日本のような先進国ではそれほど成功できず、自国マーケットは飽和に近づいている。シャオミ、Oppo、そしてファーウェイにとって、インドは前途有望な土地だ。

中国メーカーにとって、国外で生き残れる会社になれるかどうか、インドは初めての大きな試金石と言える。シャオミCEOのレイ・ジュン(雷軍)は先月、「我々はインドマーケットで6〜7位に位置しているが、状況は良くなっており、全力でトップ3を狙っていく」と語った。

シャオミがリアル店舗を開設

北京に本社を置くシャオミはインドマーケットをつかむために、巨額の投資を続ける。2010年の創業時からのポリシーである”オンライン特化”をも破り、リアル店舗を間もなくオープンする。シャオミは今後の端末を、中国とインドで同時発売にする。同社は最新デバイス「Mi5」の投入を東南アジアでは数ヶ月後遅れに設定したが、これとは真逆のやり方だ。

モトローラブランドを保有するレノボも、インドのスマートホン市場で健闘している。IDCによると、インド市場で3位につけているレノボは、Moto G4やVibe K5 Plusなど中間層向け市場で攻勢をかける。

多くの中国企業がインドで成功しているのは、両国の消費者が似ているからだ。インドの消費者は中国と同様に、多機能のデバイスを好み、操作のしやすさだけでなく、低価格をアピールすることも大きなカギだ。また、有名企業への忠誠心が薄く、そのことが世界第二のスマホメーカーであるアップルがインドでトップ5にも入れない大きな理由になっている。

中国のスマホメーカー、とりわけシャオミにとってもう一つの大きな追い風は、インドでのECの急成長だ。数年前はブロードバンド環境もなかったが、今はFlipkartやSnapdealのようなサイトがけん引し、インドのEC市場規模は3,000億ドル(約31兆円)とも伝えられる。

シャオミだけでなく、ファーウェイとOppoは中国のECサイトTmallやJD.comなどで数年前からスマホを販売しており、そこで培ったノウハウをインドで応用するのは難しいことではない。

オンラインの強化は、マーケティングや物流・配送コストの軽減につながり、ファーウェイのP9やシャオミのMi5sといったフラッグシップ端末を、アップルやサムスンに比べて比較的安価で売ることも可能になるだろう。

「打倒サムスン」目指す新興メーカー

中国メーカーは移り気と言われるインド人消費者の理解に努め、商品やサービスをインドマーケットに適応させてきた。ソフトウェアをインドのさまざまな言語に対応させ、エンジニアは現地化の取り組みを続けている。また、彼らはソフト面を通じた浸透も図っている。

ファーウェイとGionee(金立)は、インドで大人気のスポーツ、クリケットのプレミアリーグのスポンサーになり、レノボとOppoは活況を呈している映画産業”ボリウッド”に広告を出している。

しかし中国メーカーがこれだけ努力しているにも関わらず、インドのスマホマーケットのトップにいるのはサムスンだ。彼らがサムスンを押しのけるためには、特に品質やブランドの信頼感を向上しなければならない。

MicromaxとIntexのようなインドの現地メーカーも力をつける。5年前に立ち上がった現地メーカーは、地元のアドバンテージを生かしてシェアを獲得している。

インドの人口は増加し続けており、いずれは13億5,000万人の中国を抜いて世界最大になる。中国メーカーが、中間層が台頭しスマホが普及するインドを放っておくはずはないのだ。

Rahil Bhagat