フェイスブックは友人同士のコミュニーケーションのみならず、職場にも進出を開始した。

10月10日、フェイスブックは業務版SNS「ワークプレイス(Workplace)」の立ち上げをアナウンス。ビジネス現場のチャットやコラボレーションに対応すると発表した。以前は「フェイスブック・アット・ワーク」との名で呼ばれたこのツールは既に1千社を超える企業らが使用中だ。

ワークプレイスにはフェイスブックとほぼ同様の機能が搭載されるが、広告は表示されない。アカウントは個人のフェイスブックとは別のアカウントが付与される。

業務メッセージツールの分野ではSlackをはじめ、マイクロソフトのYammerやJive等の競合がひしめいている。しかし、世界16億5,000万人の月間アクティブユーザーを抱え、6,000万社が企業ページを持つフェイスブックの参入メリットは大きい。他の業務用ツールとは違い、導入に向けて社員らを新たに教育する必要もない。

ワークプレイスはフェイスブックに新たな収益をもたらす。企業規模に応じて料金体系は変わり、最初の1,000名までは一名につき月額3ドル。1,000名から1万名までは月額2ドル。1万名以上には月額1ドルが適用される。ファイルや画像、動画のストレージは無制限で利用可能だ。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは10月10日、自身の投稿で「ワークプレイスは企業らがオープンなカルチャーを創出することを助け、人々が体験をシェアする効果をもたらします」と述べた。

「職場で何が起こっているのかを理解し、同僚たちと分かり合うことが、より良い実績を生み出すのです」

メッセージ履歴で労務管理も可能に

同社がフェイスブック・アット・ワークの実験を開始したのは昨年1月のこと。当初、フェイスブックの社内ツールだったこの仕組みは現在、スターバックスをはじめ、Booking.com やダノンといった有名企業でも活用されている。また、非営利団体のオックスファムやインドのYES銀行でも利用されている。利用者数で上位に立つ5ヶ国をあげると、インド、アメリカ、ノルウェイ、英国、フランスの順になっている。

フェイスブックでプロダクト責任者を務めるクリス・コックスは、ワークプレイスが業務の生産性を上げる点を強調した。ミャンマーのYoma銀行の場合は、つい最近まで職場でファックスがコミュニーケーションの手段だったという。

「彼らの場合はEメールを飛び越えて、ワークプレイスの利用を開始しました。今や職場の会話だけでなく、従業員のリクルートや災害復興のための募金集めにも使われています」

ワークプレイスで企業は、従業員個人のフェイスブックでの活動を知ることは出来ない。しかし、ワークプレイス上でやりとりされたメッセージの数等の業務データの管理が可能だ。


ワークプレイスの運用にあたっては業界トップレベルのセキュリティツールが導入され、第三者機関によるチェックが定期的に実施される。クラウドサービスのBoxとも連携し、ストレージでデータをシェアすることも可能だ。

Box社のアーロン・レヴィCEOは声明で「今後の数ヶ月で連携を強化し、生産性の向上やコミュニーケーションに役立つ機能を充実させる。職場の未来を切り拓く試みを加速する」と述べた。

「過去には業務ソフトウェアの導入が、従業員の生産性向上の妨げになるケースもあった。しかし、クラウドやモバイルの普及がこの流れを逆転させた。過去10年にわたり、様々な企業がフェイスブックもどきのツールを導入しようとして、失敗を重ねてきた。今こそ夢を実現する時が来たのだ」とレヴィは述べている。

Kathleen Chaykowski