キャリア志向の積極若者が「ジェネレーションY」のウソをさらけ出し―フィナンシャル・タイムズ(1)
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先日とあるパーティーで、ケンブリッジ大を出たばかりだと言う青年に会った。私は彼をちょっと子ども扱いしてしまって、これから自分が何をしたいかもう決めたの?──と尋ねてみた。彼はクールに私を一瞥(いちべつ)して、実はゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーとBBCとマッキンゼーから内定をもらったばかりだと教えてくれた。
ピシャリとやられた感じになった私は、どの会社に入るつもりか尋ねた。「マッキンゼー」だと言う。決めた理由は、入社後の競争が一番厳しいところだからだそうだ。
これを聞いて私はすごく感心したのだけれども、それと同じくらいがっかりしてしまった。この若者の言い分には説得力があったのだが、なんだか人間味に乏しい感じの説得力だったからだ。何かひとつの職種に対して、自分はこの仕事に向いている、この仕事が天職だと言えるほどのものが自分にないなら、内定がとれた会社の中で一番人気のところを選んだって悪くはない。人気の仕事は、人気のない仕事よりはまともなはずだし、まわりに自慢できるという意味では(これは私にとっても大事だ)実に高得点だ。
とは言うものの、この若者の押し出しの強さにはちょっとげんなりしてしまった。私の世代も、優秀な若者は昔もやっぱりあんな感じだっただろうか。とてもそうは思えないのだ。しかし確かに思い返してみると、私がジャーナリズムを志した理由も、くだんの若者と同じくらい寒々しいものだったのかもしれない。自分の仲間内でいちばんカッコいい友達連中がみんな記者になったから、だから私もなりたかった。そして結果的にその動機が、私にとっては大正解だったのだ。
広告業界でかなりの地位を築いている同世代の知り合いにも、どうして広告の世界に入ったのか聞いてみた。彼女いわく、洋服と車が好きだったからだそうだ。そう身も蓋もなく言い切ってしまうと、彼女の動機は私に輪をかけてひどいものだ。でも実際には私と同じように、大正解だったのだ。彼女は今でも洋服も車も好きだし、広告の仕事も大好きだから。
さらに口をはばかる理由で仕事を選ぶ人もたくさんいる。つまり、別のところに断られたから、今のところにいるのだと。仕事につく動機として、別に何の問題もないことだ。そこから始まって花開いた、素晴らしいサクセスストーリーはいくつもある。たとえば私のきょうだいの場合は、オーボー奏者として生活するのは無理だと分かったので、代わりに証券マンになったわけだ。
これまで挙げてきた志望動機は、どれも良い動機ばかりだ。良いのだけれどもしかし、実際に面接で「これが私の動機です」と口にできるものではない。本音の動機と、面接で披露する動機は違う。それが、私の言いたいポイントだ。
コンサルタント会社マッキンゼーのホームページを見に行ってみた。マッキンゼーはこういう会社で、だからうちを志望するべきだと、若者に呼びかけている。「各界のリーダーが、実績を決定的に持続的に確実に伸ばすことのできるよう、お手伝いする」のが、マッキンゼーなのだそうだ。私がパーティーで出会ったあの押しの強い彼は、そんなことは何も言っていなかった。というか、企業がホームページで掲げるこの手のスローガンに、本気で心から感動するような新卒学生が本当にいるとしたら、その若者は本当に本気で変な奴だと思う。
就活学生が実際に企業に求めているものと、学生たちはこういうものを求めているはずだと企業側が考えるものとの間には、かなり激しいギャップがある。このギャップをなんとか埋めようと、監査法人デロイトは、1982〜1993年生まれのいわゆる「ジェネレーションY」の上手な採用方法について、米国の小売銀行向けにリサーチを行った。
デロイトがまとめた冊子のタイトルは、「世代別人材マネージメント—米銀行証券業界にジェネレーションYを引きつけ、つなぎ止めるための戦略」というもので、いやはや散々な代物だった。 (2へ続く)
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