2006年最もイケてたモノは100ドルなり―フィナンシャル・タイムズ(1)
(フィナンシャル・タイムズ 2006年12月22日初出 翻訳gooニュース) ケビン・アリソン
2006年で最もイケていたガジェットのひとつは、かっこいいプラスチックケース付きで、メモリは100メガバイト。インターネットに直接接続できて、かつ値段は約100ドル(約1万2000円)だった。
画期的なこの商品はZuneでもなければiPodでもなく、流行に敏感な消費者向けに作られたアクセサリのたぐいでもなかった。これはお値段100ドルなりのパソコン。途上国の子供たちが、勉強するための道具だ。これがあれば、途上国の貧しい子供たちもパソコンを使って自習ができるようになる。貴重な勉強のチャンスを、子供が自分でなんとかできるようになるのだ。
子供ひとりにラップトップ1台——One Laptop Per Child (OLPC)——という名前の非営利団体は昨年初めにスタート。マサチューセッツ工科大学(MIT)をはじめ、米グーグル、ニューズ・コーポレーション、そしてAMDなどの支援を受けている。そしてOLPDの責任者ニコラス・ネグロポンテは、このプロジェクトの目的はハードウェアだけではないと話す。
「コンピューターの使い方を教えるとか、そういうことが目的ではない」とネグロポンテ氏。「目的は、学ぶこと。学習することそのものだ。なんだか抽象的に聞こえるかもしれないが、そうではない。勉強したいと思う熱意。子供にとって、これほど大事な財産はほかにない」
OLPCパソコンの初期型はOSにオープンソースのリナックスを採用し、屋外でも使えるように頑丈に作られている。11月にチュニジアのチュニスで開かれた会議で、ネグロポンテ氏と国連のアナン事務総長がお披露目した。07年半ばにはフル稼働の生産体制に入る予定だ。
初期モデルの値段は約140ドルになってしまうだろうが、2008年末か2009年初めまでには100ドルまで引き下げられるはずだとネグロポンテ氏。「ムーアの法則が働けばそれだけで、2008年末か2009年初めまでには100ドルになるはずだ」
OLPCの計画は、まずラップトップを途上国政府に販売し、政府が子供たちに配布するというもの。子供1人あたりの負担は5カ年で1年30〜35ドルだ。100ドルパソコンは、ステレオスピーカーと無線ネット接続とタッチパッドを標準装備。大量のデータ保存はできないが、それ以外は、普通のパソコンに匹敵する性能を備える。
OLPCはいずれ、パソコン5000台を積んだコンテナを毎月20個は送り出すようになりたいと期待している。途上国についたパソコンは、港で荷揚げしたコンテナから開封されるのではなく、技術指導の担当者によって各地の学校へ直接運ばれる。技術指導者は学校で1ヵ月かけて、パソコンの使い方を生徒たち、教師たちに十分指導した後、次のパソコン・コンテナを受け取りに行くという仕組みだ。
「計算すると、つまり技術指導者が600人いれば、12ヵ月でパソコン100万台を配布し、使い方を指導できるということになる」とネグロポンテ氏。「技術指導者600人という人数の中は、パソコン到着の前にあらかじめ学校をひとつひとつ回り、ネット接続環境を整備するチームも含まれる。ネット接続はほとんどが、衛星経由になるだろう。ネットのアクセスポイントが1カ所あれば、子供1000人が使えるようになる」
ハーバード大学のケネディー行政大学院で国際開発学を教えるカレストス・ジュマ教授は、この100ドル・パソコン計画は教育の経済学、特に途上国における教育の経済学を変えるかもしれないと話す。(2へ続く)
2006年で最もイケていたガジェットのひとつは、かっこいいプラスチックケース付きで、メモリは100メガバイト。インターネットに直接接続できて、かつ値段は約100ドル(約1万2000円)だった。
画期的なこの商品はZuneでもなければiPodでもなく、流行に敏感な消費者向けに作られたアクセサリのたぐいでもなかった。これはお値段100ドルなりのパソコン。途上国の子供たちが、勉強するための道具だ。これがあれば、途上国の貧しい子供たちもパソコンを使って自習ができるようになる。貴重な勉強のチャンスを、子供が自分でなんとかできるようになるのだ。
子供ひとりにラップトップ1台——One Laptop Per Child (OLPC)——という名前の非営利団体は昨年初めにスタート。マサチューセッツ工科大学(MIT)をはじめ、米グーグル、ニューズ・コーポレーション、そしてAMDなどの支援を受けている。そしてOLPDの責任者ニコラス・ネグロポンテは、このプロジェクトの目的はハードウェアだけではないと話す。
「コンピューターの使い方を教えるとか、そういうことが目的ではない」とネグロポンテ氏。「目的は、学ぶこと。学習することそのものだ。なんだか抽象的に聞こえるかもしれないが、そうではない。勉強したいと思う熱意。子供にとって、これほど大事な財産はほかにない」
OLPCパソコンの初期型はOSにオープンソースのリナックスを採用し、屋外でも使えるように頑丈に作られている。11月にチュニジアのチュニスで開かれた会議で、ネグロポンテ氏と国連のアナン事務総長がお披露目した。07年半ばにはフル稼働の生産体制に入る予定だ。
初期モデルの値段は約140ドルになってしまうだろうが、2008年末か2009年初めまでには100ドルまで引き下げられるはずだとネグロポンテ氏。「ムーアの法則が働けばそれだけで、2008年末か2009年初めまでには100ドルになるはずだ」
OLPCの計画は、まずラップトップを途上国政府に販売し、政府が子供たちに配布するというもの。子供1人あたりの負担は5カ年で1年30〜35ドルだ。100ドルパソコンは、ステレオスピーカーと無線ネット接続とタッチパッドを標準装備。大量のデータ保存はできないが、それ以外は、普通のパソコンに匹敵する性能を備える。
OLPCはいずれ、パソコン5000台を積んだコンテナを毎月20個は送り出すようになりたいと期待している。途上国についたパソコンは、港で荷揚げしたコンテナから開封されるのではなく、技術指導の担当者によって各地の学校へ直接運ばれる。技術指導者は学校で1ヵ月かけて、パソコンの使い方を生徒たち、教師たちに十分指導した後、次のパソコン・コンテナを受け取りに行くという仕組みだ。
「計算すると、つまり技術指導者が600人いれば、12ヵ月でパソコン100万台を配布し、使い方を指導できるということになる」とネグロポンテ氏。「技術指導者600人という人数の中は、パソコン到着の前にあらかじめ学校をひとつひとつ回り、ネット接続環境を整備するチームも含まれる。ネット接続はほとんどが、衛星経由になるだろう。ネットのアクセスポイントが1カ所あれば、子供1000人が使えるようになる」
ハーバード大学のケネディー行政大学院で国際開発学を教えるカレストス・ジュマ教授は、この100ドル・パソコン計画は教育の経済学、特に途上国における教育の経済学を変えるかもしれないと話す。(2へ続く)
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