日本にもまだ政府は必要だ――フィナンシャル・タイムズ社説
(フィナンシャル・タイムズ 2009年2月24日初出 翻訳gooニュース)
最初のころ、日本は信用危機から守られていた。日本の保守的な銀行は、不良資産まみれの海を泳いではいたものの、それでも外国の同業他社に比べればまだましな状態だったからだ。しかし日本は慢性的な輸出依存体質のせいで、信用危機の衝撃を受けやすい状態にあった。国際的な需要低迷に伴い、日本経済はひきつけを起こしたように固まり、政界は呆然と立ちすくんでいる。証券市場の下落は今、金融セクターに問題を引き起こしているが、公的資金による株価維持という経済界団体の提案は間違っている。
日本の輸出高が昨年12月に35%減というショッキングな急落を示したとき、その時点でゲームオーバーだったのだ。当然のように、08年10〜12月期の実質成長率は前期比3.3%減だったし、下落ペースは息をつく様子もない。過去35年間で最悪となるだろう危機は、政治の無為と麻痺によって深刻さを増している。
哀れな麻生太郎首相率いる政府による対応は、もうずっと不十分だ。ほんの数カ月前には、ただの見せかけでしかない景気浮揚策を後押しして、世界経済の回復を待つべしと主張していたのだ。しかし今や麻生政権は弱体化しすぎていて、政策措置を国会通過させられない。けれども与党・自民党はあまりにも不人気なため、法的に必要となる9月よりも前に選挙をするなど、考えられない状況にある。
政府がバタバタと動き回るあいだ、実体経済で深まる危機は金融機関を汚染しつつある。すさまじい株価急落を経て、日経平均は今年だけで2割近い下落率を記録。そしてTOPIX(東証株価指数)は1980年代初頭の水準にもどってしまっている。日本の銀行はまだ相当な資産を保有しているが、足元は心もとなく不安定だ。悪化する資本比率を支えるために何十億ドルもの資金づくりを余儀なくされている。
現在検討中の対策のひとつに「株価維持」がある。株価を支えるために25兆円もの公的資金を投入するというものだ。これは日本の政策決定者にとってはお馴染みの手段で、もっと小規模な景気対策案はすでに国会提出されている……が、大方の予想通り、国会で足止めをくらっている。どちらの景気対策案も金がかかりすぎるし、実施されても銀行は一息つけるだけで、効果は一時的でしかない。
日本はむしろ、経済の均衡回復に集中すべきだ。国民の消費を刺激する真の財政出動に加えて、企業が非生産的な資金を内部留保しないよう政府が止めさせる必要がある。銀行に資本注入しなくてはならないのなら、証券市場を支えて間接的にするのではなく、直接やるべきだ。しかしこうした政策のメリットはいずれも、麻生政権がこんなに弱体化したままの状態では、机上の空論に過ぎない。今こそ選挙が必要だ。麻痺した政府には、ほとんど何の意味もない。
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(翻訳・加藤祐子)
最初のころ、日本は信用危機から守られていた。日本の保守的な銀行は、不良資産まみれの海を泳いではいたものの、それでも外国の同業他社に比べればまだましな状態だったからだ。しかし日本は慢性的な輸出依存体質のせいで、信用危機の衝撃を受けやすい状態にあった。国際的な需要低迷に伴い、日本経済はひきつけを起こしたように固まり、政界は呆然と立ちすくんでいる。証券市場の下落は今、金融セクターに問題を引き起こしているが、公的資金による株価維持という経済界団体の提案は間違っている。
日本の輸出高が昨年12月に35%減というショッキングな急落を示したとき、その時点でゲームオーバーだったのだ。当然のように、08年10〜12月期の実質成長率は前期比3.3%減だったし、下落ペースは息をつく様子もない。過去35年間で最悪となるだろう危機は、政治の無為と麻痺によって深刻さを増している。
哀れな麻生太郎首相率いる政府による対応は、もうずっと不十分だ。ほんの数カ月前には、ただの見せかけでしかない景気浮揚策を後押しして、世界経済の回復を待つべしと主張していたのだ。しかし今や麻生政権は弱体化しすぎていて、政策措置を国会通過させられない。けれども与党・自民党はあまりにも不人気なため、法的に必要となる9月よりも前に選挙をするなど、考えられない状況にある。
政府がバタバタと動き回るあいだ、実体経済で深まる危機は金融機関を汚染しつつある。すさまじい株価急落を経て、日経平均は今年だけで2割近い下落率を記録。そしてTOPIX(東証株価指数)は1980年代初頭の水準にもどってしまっている。日本の銀行はまだ相当な資産を保有しているが、足元は心もとなく不安定だ。悪化する資本比率を支えるために何十億ドルもの資金づくりを余儀なくされている。
現在検討中の対策のひとつに「株価維持」がある。株価を支えるために25兆円もの公的資金を投入するというものだ。これは日本の政策決定者にとってはお馴染みの手段で、もっと小規模な景気対策案はすでに国会提出されている……が、大方の予想通り、国会で足止めをくらっている。どちらの景気対策案も金がかかりすぎるし、実施されても銀行は一息つけるだけで、効果は一時的でしかない。
日本はむしろ、経済の均衡回復に集中すべきだ。国民の消費を刺激する真の財政出動に加えて、企業が非生産的な資金を内部留保しないよう政府が止めさせる必要がある。銀行に資本注入しなくてはならないのなら、証券市場を支えて間接的にするのではなく、直接やるべきだ。しかしこうした政策のメリットはいずれも、麻生政権がこんなに弱体化したままの状態では、机上の空論に過ぎない。今こそ選挙が必要だ。麻痺した政府には、ほとんど何の意味もない。
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(翻訳・加藤祐子)
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