パナソニックのルームエアコン「エオリア」は、同社が1957年にエアコン第1号機を発売してから、2016年に60周年の節目を迎えたことを記念し、復活させたブランドだ。

 ギリシャ神話で「風の神」の語源を持つエオリアは、1988年から同社のエアコンのブランドとして使用していたが、2000年を最後に無くなっていた。

 新たなエオリアは、そのブランドが持つ意味を体現するように、「風」の質にこだわったのが特徴だ。「人がふれる空気の清潔さや、快適な温度にもっとこだわりたい」との思いを込めたという。

 「人が1日に最も摂取するのが空気。18kgも摂取しているという。これは、直径3メートルの球と同じ大きさであり、水や食料の約14倍の量になる。部屋で家族が触れている空気の多くはエアコンの空気だからこそ、水や食料にこだわるように、空気もこだわって選んでほしい」と、パナソニックは訴える。

 「エオリアWXシリーズ」は従来に比べて、10倍のOHラジカル(高反応成分)を生成する新デバイス「ナノイーX」を搭載。除菌に加えて、たばこ、汗、生乾き、ペット臭、焼き肉臭という生活5大臭の脱臭に対応した。とくにたばこのニオイは従来比10倍の脱臭スピードを実現したという。日本各地にある12種類の花粉を無力化するといった効果も持つ。

 ナノイーは、空気中の水に高電圧を加えて生成されるナノサイズの微粒子イオン。快適な空気環境を実現するキーデバイスに位置づけている。このナノイーを内部クリーン機能にも活用し、エアコン室内機内部のカビの成長を抑制して、吹き出す風をキレイにすることができる。

 「ナノイーによる脱臭、除菌、無力化だけでなく、熱交換機のニオイのもとを洗い流し、自動でのフィルター掃除や、カビ見張り機能でエアコン内部のカビの成長も抑制。エアコンから出てくる風をキレイにすることにこだわった」という。

 一方、人それぞれの「暑い」「寒い」という感覚を見分ける温冷感センサーを搭載。また、新開発の「マルチ・ビッグフラップ」と「マルチ・ルーバー」によって、異なる温度の温風を同時に吹き分けることができる「ダブル温度気流システム」で、温度の異なる2つの温風を、同時に吹き分けることが可能になった。快適性と省エネ性を向上させることに成功した。

 これは特許出願中の技術で、「速く、無駄なく、その人にあった快適な温度空間を作ることが可能になる」とする。

 市場想定価格は31万円(税別)から。ブランド復活という、意欲的な製品となったパナソニックのエアコンは、空気へのこだわりを追求した製品になっている。 (ジャーナリスト、写真も)

 ■大河原克行(おおかわら・かつゆき) 「週刊BCN」編集長を経て独立。25年以上IT・家電業界を取材する。著書に『松下からパナソニックへ 世界で戦うブランド戦略』(アスキー新書)など。