東京都の小池百合子知事は12日早朝、築地市場(中央区)を視察した。昨年8月に豊洲市場(江東区)への移転延期を表明してから初めての視察となった。移転判断の参考にするというが、新たな政治決断を下すのか。

 「政治的問題ではなく、科学的問題、食の安全の問題だ」「安全安心を確認したうえで、最善の策を取りたい」

 小池氏は早朝のマグロの競りや水産仲卸売場を見学した後、業者側との懇談でこう述べた。

 今回の視察は、業界団体「築地市場協会」の伊藤裕康会長が昨年12月、小池氏と面会し「業者の声を直接聞いてほしい」との要望で実現した。業者側からは「今年度中には判断をしてもらいたい」との要望が出た。

 このタイミングの視察となったのは、豊洲新市場の移転時期を左右する地下水モニタリング調査の最終結果が14日にも判明するからだ。都政関係者は「悪い結果が出た後では訪問できない。『その前に』となったのでは」とみる。都は土壌汚染対策を検討する「専門家会議」などでの審議を踏まえて、今年夏にも移転の可否を判断する。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「豊洲新市場への移転問題の原因は石原慎太郎元知事らにあるが、政治問題化させたのは小池氏自身だ。対応を間違えれば、夏の都議選で大打撃を受ける可能性がある。技術的な制約はあるが、『スピード感を持って向き合っている』姿勢を示したかったのだろう」と分析した。