2017年の野球界で、早実高の清宮幸太郎内野手(2年)は注目の的だ。4月に3年生となるスラッガーは今秋のドラフトの主役となる。

 最初の大舞台は3月19日に開幕する春のセンバツ。昨秋の東京都大会の覇者である早実は、今月27日の出場校選考委員会で選出確実。甲子園での打棒が楽しみだ。その成長のスピードにはプロのスカウトが眼を見張るモノがある。

 昨年11月の明治神宮大会では豪快なアーチに加え、野手が反応できない弾丸ライナーを披露。清宮を1年生の頃から追いかけているパ・リーグ球団スカウトは「昨年と比べてかなり変わった。特にスイングスピード。コンパクトに速く振れるようになったから強い打球が打てる」と絶賛する。

 高校日本代表の清宮は国際大会で使用する木製バットに適応するため、普段の練習から木のバットを振り込んでいる。前出スカウトは「木製で打球を飛ばすにはコンパクトに振る必要がある。いい練習をしている」と眼を細める。ひと冬越えたスラッガーがどんな進化をみせてくれるのか。さらに楽しみなのが、彼の発信力だ。

 先月28日の千葉・鴨川合宿での練習総括で来年の抱負を聞かれ「全部勝つ、ですね。自分の結果も大事ですが、主将ですし、それではみんなが付いてこない」と語っていた。昨秋の新チーム発足から主将を務めている責任感も手伝ってか、17歳ながら発言は冷静かつ分かりやすい。矢継ぎ早に飛んでくる質問に自分の言葉で即答する。ハスキーな大声でよどみなく応えるから聞く方は気持ちがいい。ある球界関係者は「コメント力も進化しているよね」と感心しきりだ。

 スーパースターがスターたるゆえんの1つに、筆者は情報発信力があると思っている。口ベタでも素晴らしいプレーをみせてくれるスターはいるが、軽妙なコメントもあった方がいい。自身のプレーを自分の言葉で分かりやすく解説し発信できれば確実にファンに届き「もっと聞きたい」と期待が返ってくる。人気はそんな相乗効果で生まれてくると思う。

 そういう意味で、清宮にはスーパースターとなる潜在能力が十分ある。球春到来が待ち遠しい。 (山田利智)